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コールセンターの業務はルーチンワークと思われがちですが、顧客からの問い合わせ内容は多岐にわたり、状況に応じて適切な対応が求められます。
オペレーター業務に必要な知識をマニュアルとしてまとめて整備しておくことで、顧客対応のクオリティが安定し、満足度の向上にもつながります。
今回は、コールセンターのマニュアルを作成する目的や作り方、活用方法を紹介します。
まずは、コールセンター業務に活用できる電話対応マニュアルの概要と、コールセンターの電話対応の種類について確認しましょう。
近年はSNSやメールの普及によって電話対応に慣れていない従業員員が多く、特に若い世代では電話そのものに対して苦手意識を持っている人も少なくありません。クレームを防ぐためにも、マニュアルの整備は必須といえるでしょう。
クレーム対応のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
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通常、コールセンターでは、複数人のオペレーターが配置されて顧客対応にあたります。電話対応マニュアルは、オペレーターの顧客対応の品質を向上させ、均一化させることが目的です。
マニュアルがないと対応品質に差が生じ、クレームや顧客満足度の低下につながる恐れがあります。また、マニュアルを作成することで、個人のスキルや性格、経験値といった属人的な要素に依存しないサービスを提供できるようになります。
コールセンターの業務は、オペレーターから電話をかける「アウトバウンド」と、かかってきた電話に対応する「インバウンド」に大別できます。
どちらの業務もマニュアルの必要性は高いですが、特にインバウンドはマニュアルを作成することが品質向上に直結します。問い合わせの内容をある程度、カテゴライズすることが可能でマニュアルに落とし込みやすく、オペレーター対応の品質向上という目的を達成しやすいからです。
コールセンタースタッフは、電話をかけてきた顧客が最初に接触する相手になるケースが多く、オペレーターの対応次第で会社の印象が決まると言っても過言ではありません。
電話対応マニュアルには、基本的なルールの他に、会社の代表として顧客対応にあたる際に必要なビジネスマナーなども記載しておくといいでしょう。コールセンターの電話対応マニュアルには、次のような内容を記載しましょう。
電話対応マニュアルは、会社や商品情報、職場のルールなどの基礎情報からまとめるのがセオリーです。会社や商品そのものの質問に対応できるように情報を収集してマニュアルに記載します。
さらに、ビジネスマナーや社則といった情報も記載することで、帰属意識や顧客対応の意識の均一化を図れます。
また、顧客に好印象を与えるには、コールセンターに相応しい言葉遣いをすることが大切です。
敬語は大きく分けて、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類に分けることができます。
特に、尊敬語と謙譲語を混同してしまうケースが多いので、コールセンターでよく使われる敬語をマニュアルにまとめておきましょう。
「お電話ありがとうございます」「かしこまりました」といった言い回しも、シーン別に記載しておくと便利です。
クッション言葉とは、「お手数をおかけしますが」「失礼ですが」など、会話のあいだに挟むフレーズのことです。会話をスムーズに進める役割をするクッション言葉ですが、誤った使い方をしている人も多く、顧客に不快感を与えてしまう可能性もあります。
上記の言葉の使い分けと活用方法をマニュアルに明記することで、相手に好印象を与えながら正しい意図を伝えやすくなります。
トークスクリプトとは、電話対応時の受け答えをまとめたもので、カスタマーサポートの質を大きく左右します。
トークスクリプトは問い合わせしてくる顧客(ユーザー)を想定した「ペルソナ」が抱える課題に対して複数作成するのが一般的です。
相手の「はい」「いいえ」という返答によって行うべき対応を図で示す「フローチャート」を用いて、多様なシーンで課題を解決できる道筋をつくることがマニュアルの肝になります。
トークスクリプトを作成するコツは、評価の高いオペレーターの会話を定型化することです。オペレーターの対応を分析してマニュアル化することで、オペレーター全体の品質向上を実現できます。
さらに、完成したトークスクリプトをロールプレイングによってブラッシュアップします。コールセンター以外の部署に属する従業員にお客様役を依頼するのもアイデアの一つです。
トークスクリプトについては、以下の記事で詳しく解説しています。
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電話対応マニュアルは、作成した後に正しく運用することによって初めて顧客対応や満足度の向上といった成果が現れます。以下で紹介するコツを参考に、電話対応マニュアルの効果を最大化しましょう。
ユーザーが抱える課題は常に変化します。また、新しい製品やサービスを発売すると、それに伴って新たな問い合わせ内容が増えるでしょう。電話対応マニュアルは、常に最善の顧客対応ができるようにブラッシュアップし続ける必要があります。
基本情報に加えて、トークスクリプトも定期的に変更することが大切です。特に、新しい製品やサービスの発売直後は問い合わせが増える傾向があるので、早めの準備を心がけましょう。
優れたマニュアルは「内容の充実さ」と「検索性」が両立しています。現場での使用感を都度確認し、情報のまとめ方などの改善を行うことが重要です。コールセンターシステムやFAQシステムといった専用のツールを活用することで、マニュアルを効率よく強化できます。
クラウド型のFAQシステム「PKSHA FAQ」は、誰でも簡単にFAQの作成・公開・分析・運用改善ができるナレッジマネジメントシステムです。
コールセンターでは、顧客に対して素早く、正確な情報を伝えることが求められます。顧客対応の内容をマニュアルに事細かに書き込んでも、実際の現場ではマニュアルをじっくりと確認する時間はありません。
その点、顧客からの「よくある質問」と、それに対する回答がセットになったFAQシステムなら、検索欄にキーワードを入力することで、今必要な情報をピンポイントで探し出しやすくなるのです。
コールセンターに限らず、業務マニュアルは一度作成してそのまま更新されずに何年も使い続けられるケースは少なくありません。
社内で使用するものであれば、マニュアルの内容がアップデートされていなくても大きな問題にはならないかもしれませんが、顧客対応を担うコールセンターのマニュアルは常に最新の状態でなければなりません。
マニュアルは、作成した後に適切な運用を行うことが大切です。後々メンテナンスすることを念頭におき、シンプルで誰が見ても分かりやすいマニュアル作成を心がけましょう。ゼロから作成するほか既存のマニュアルを更新する際は、クラウド型のFAQシステム「PKHSA FAQ」のようなITツールを用いた運用をぜひ検討してください。
<補足>
PKSHA FAQは、11年連続シェアNo.1(※)のFAQシステムです。
世界最大のヘルプデスク業界団体HDIの日本法人HDI-Japanと共同で策定した「FAQ Management」に準拠し、独自の特許技術(特許第4512103号)を保有するFAQ/お問い合わせ管理システムです。FAQサイトの作成や更新作業をWebブラウザ上から簡単に行えるほか、AIによる支援機能を搭載し、平均30%のお問い合わせを削減する導入効果が出ています(自社調べ)。金融、製造、情報通信、流通など様々な業種の大手企業や自治体など、国内トップシェアとなる800社以上が利用。2005-2006 グッドデザイン賞(商品デザイン/ソフトウェア部門)を受賞しています。
■詳細はこちら:https://aisaas.pkshatech.com/faq/
※出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所「マーテック市場の現状と展望2022年度版 クラウド型CRM市場編(第6版)」
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