目次
顧客からのお問い合わせに対応する部署は従来「コールセンター」と呼ばれ、その名のとおり電話対応が主な業務でした。しかし、現在では電話に加えて、チャットやメール、SNSなど、顧客からのお問い合わせ経路が多様化し、オペレーターの業務も複雑化しています。
顧客との最初の接点になることも多いオペレーターの教育は、顧客満足度や生産性の向上において欠かせない業務です。
オペレーターの教育にはいくつかのポイントがあり、各人のレベルに合わせた研修を施すことによって業務効率化を図れるだけでなく、離職率の改善も期待できます。
本記事では、オペレーターに求められる能力や、それぞれの能力を伸ばすためのポイントや実施方法について解説します。
まずは、コールセンターのオペレーターに求められる3つの能力を整理しておきましょう。顧客の悩みや要望に沿って適切に対応するためには、どのような能力を身につけるべきなのでしょうか。
製品に関するお問い合わせからクレームまで、顧客からの問い合わせ内容は多種多様です。また、仕事の隙間時間などの限られた時間で問い合わせをする顧客など、状況もさまざまです。
コールセンターのオペレーターは、顧客の要望や状況に応じて最適なコミュニケーションを図れる能力が求められます。
コールセンターのオペレーターは、他の職種と比較しても上位レベルのコミュニケーション能力が必要だといわれています。ときには、商品やサービスに対して不満を覚え、相手が興奮しているケースがあり、その場合も慌てることなく顧客の気持ちに寄り添い、意図を汲む必要があるからです。
相手の要望を聴く力だけでなく、自分の考えを適切な言葉で伝える能力を磨くことで、円滑な意思疎通が可能になります。
また、年配者に対しては、ゆっくり・はっきり話すなど、年齢別に適切な対応をしなければなりません。
顧客からの多様な質問や要望に対して、常にマニュアルがあるとは限りません。その場合も適切にヒアリングを行い、柔軟に対処できる問題解決能力が求められます。
柔軟な対応だけでなく、エスカレーションに則った正しい情報伝達能力なども迅速な問題解決に繋がります。現場での経験以外の方法で問題解決能力を高める施策が重要です。
電話によるオペレーション業務の場合、顧客応対と並行して事務作業を行うケースがあります。そのため、ミスなく迅速な事務処理能力が必要です。
商品の注文やサービス予約、顧客リストの確認といった情報処理のミスはクレームや失注に繋がります。顧客の情報確認が遅れると解決までの時間の遅延につながり、新たなクレームを生んでしまう可能性もあるため、事務処理能力の向上はオペレーターにとって必須といえます。
また、近年は電話に加えて、チャットやメール、SNSなど、顧客からの問い合わせ経路が多様化しつつあります。オペレーターの業務も複雑になり、これまで以上にマルチタスクを処理する能力が求められるようになっています。
平均後処理時間(ACW)については、以下の記事で詳しく解説しています。
▼関連する記事
コールセンターのオペレーター教育は、企業と顧客の双方にメリットがあります。ここでは、コールセンターのオペレーターを教育するメリットを3つ紹介します。
オペレーターの対応次第では、クレームを入れた顧客を自社のファンに転換させることも可能です。
オペレーター教育により、経験やパーソナルな能力に頼らないコールセンター全体の応対品質の平準化を図れます。また、新人の処理能力を改善することでボトムアップにも繋がります。
応対品質を平準化し、適切な対応ができるオペレーターが増えることにより、顧客満足度や企業のブランドイメージ、CVR(コンバージョン率)の向上も期待できます。
コールセンターのように複数のスタッフが業務を担当する部署では、優秀なスタッフほど仕事の処理が早く、その分、対応件数が多くなり負担が増大しやすい傾向があります。個々のオペレーターを教育することで迅速かつ適切な対応が可能になり、優秀なオペレーターの負担を減らすことができます。
また、個々のオペレーターのスキルアップによって業務効率化を実現できるだけでなく、コア業務への選択と集中を図れるため生産性向上や利益増大にもつながります。
業務改善で重要なKPIについては、以下の記事で詳しく解説しています。
▼関連する記事
オペレーターは離職率が高い職種といわれており、優秀な人材を確保するためにはストレスマネジメントが欠かせません。ストレスを適切に処理する方法を教育することで、業務負担が原因となる離職の数を減らせます。
離職率の低減は、オペレーターの慢性的な不足の解決につながるため、クレーム処理などが業務の中心となるコールセンターでは重要なポイントといえるでしょう。
コールセンターの離職率については、以下の記事で詳しく解説しています。
▼関連する記事
優秀なオペレーターを育成するには、各オペレーターのレベルを把握し、伸びしろがある部分に対して適切な内容の研修を行うことが重要です。
コールセンターにおける教育・研修には、具体的に次のような方法があります。
新人教育は、円滑な応対に必須といえる「ソフトスキル」と「ハードスキル」を身に付けるための研修が中心となります。
ソフトスキルとは、話し方、ヒアリング力、問題を把握する力など、顧客との接し方に関わる能力のことです。
一方、ハードスキルは、エスカレーションの把握や各種システムの使い方といった業務の遂行に必要な機器や情報を把握する能力のことです。ハードスキルには、トラブルシューティングやメール・電話・チャットボットなどの連絡手段の使い方も含まれ、マニュアルの整備が必要不可欠です。
フォローアップ研修は、新人研修を終えたオペレーターの個々の能力を伸ばすための研修です。
伸びしろが大きいケースが多いため、各人の弱みや不得意な分野の平準化を最優先に行います。スキルチェックテストや、上司のモニタリングによるフィードバックがフォローアップ研修の主な実施方法です。
一定のスキルや能力を持つオペレーターに対しては、さらにステップアップさせるためのキャリア・スキルアップ研修を実施します。
管理職やマネージャーに必要なマネジメントスキルの習得など、組織内で優秀なオペレーターのノウハウの獲得や、新たな業務領域への挑戦を促します。
キャリア・スキルアップ研修では、ナレッジマネジメントによる知識・情報の組織的な共有に加えて、個人の学ぶ姿勢も重要です。インセンティブや手当などの報酬を用意し、自律的なスキルアップを促しましょう。
コールセンターには、着任して一週間の新人スタッフから10年を超えるベテランまで、スキルも年齢も異なるさまざまなスタッフが勤務しています。
オペレーターの教育を行ううえで、画一的な教育は効果的とはいえません。各オペレーターのスキルレベルに合わせて適切な教育を行うことで応対品質の平準化とボトムアップが図れます。
複雑化するコールセンター業務に対応できる人材を増やして顧客満足度を高め、自社のファンを増やしていきましょう。
カスタマーハラスメントからオペレーターを守れ!
社内FAQで応対品質を上げ、離職を防ぐ方法
本資料の概要
その問い合わせ、FAQページのせいかもしれません
お客様を迷わせないFAQ作成のポイント
本資料の概要
そのサポート、IoT、サブスクリプション時代の顧客ニーズに対応できている?
利用者の声から分かるサポートコミュニティの新たな可能性
本資料の概要