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カスタマーサポートを大きく変革する生成AIの波「PKSHA Communication Users’Conference 2023」イベントレポート <後編>

作成者: CXジャーナル編集部|Dec 22, 2023 7:19:23 AM

<イベントレポート前編はこちら>

PKSHA Communicationのユーザー会とは

PKSHA Communicationは「ユーザー企業の皆様をつなげる」ことを目的に年2回、東京と大阪でユーザー会を開催しています。当社が提供するカスタマーサポートソリューション「PKSHA FAQ」、「PKSHA Chatbot」、「PKSHA Voicebot」などの活用事例の共有や、ユーザー様同士の情報交換、ネットワーキングの場として、多くの企業の方にご参加いただいています。

導入企業様事例セッション

 ユーザー会のメインプログラムは、PKSHA製品をご利用いただいているお客様のご活用事例です。今回は、三井住友トラストTAソリューション株式会社様、株式会社アイシン様、株式会社ビジュアルリサーチ様、株式会社レオパレス21様、SBI損害保険株式会社様にご登壇いただきました。

PKSHA Voicebotご活用事例:
三井住友トラストTAソリューション株式会社様

PKSHA Voicebotをご活用いただいている三井住友トラストTAソリューション株式会社様から、コンタクトセンター統括部の新宮様にお話しいただきました。以下、講演内容をご紹介いたします。

2022年4月にPKSHA Voicebotを導入

当社は三井住友トラスト・グループの一員として、証券代行事業に関する事務、システムの運営・企画・開発、コールセンターの運営管理などをしています。証券代行事業とは、株式を発行した企業に代わり、株式に関する事務を行うことを指します。親会社である三井住友信託銀行から証券代行業務を受注し、その事務作業を当社が受託する形になっています。

私が所属するコンタクトセンター統括部では、証券代行コールセンター業務の運営・統括を担当しています。コールセンターの日常運営は外部委託しており、東京の多摩地区のセンターに150席を、札幌市中心部のセンターに100席を配置しています。受電数は変動が大きく、株主総会が集中的に開催される6〜7月や、中間配当通知の発送後である12月に受電数が大きく増えます。

2019年に、当社で初めてのFAQシステムとしてPKSHA FAQを導入しました。当時はFAQの導入企業が増えており、当社も株主様に自己解決いただく手段を提供すべきと考えたためです。その後、FAQの利用件数が増加する様子を見て、ノンボイスに対するニーズの高まりを実感してきました。

PKSHA Voicebotは2022年4月に導入しました。導入以前の課題感として、株主様からノンボイス対応や受付時間拡充が望まれており、コールセンターからも入電抑制や受付余力の創出、災害時などの受付手段拡充が求められている、ということがありました。それらの課題に対応すべく、PKSHA Voicebotの導入を決めました。

入電の集中をPKSHA Voicebotで乗り切る

PKSHA Voicebotの具体的な活用箇所は2つです。1つは、Webサポートダイヤルという名称の電話窓口での自動振り分けです。PKSHA Voicebotの導入以前から、FAQサイトを活用して入電抑制を図っていました。更なる対応として有人チャットの導入を検討していましたが、電話から有人チャットやFAQへの誘導をどう実現するかが課題になっており、その解決策としてPKSHA Voicebotを導入しました。

PKSHA Voicebot導入後は、お受けした電話に対し、まずPKSHA Voicebotの自動音声でご用件をうかがい、適切なチャネルへ誘導しています。有人チャットやFAQで解決可能なお問い合わせについては、SMSでリンクを送信して誘導し、オペレーターとの会話が必要な株主様についてはオペレーターに接続します。営業時間外は、SMSでFAQへのリンクをお送りするか、再架電をお願いしています。

効果としては、2022年6月と2023年6月という年間で最も入電が集中する時期に、全体の1割強をFAQと有人チャットで受け付けることができました。

もう1つのPKSHA Voicebotの活用箇所は、会社法改正対応の一環である、請求書郵送申し込みの自動受付です。株主様からお名前やお電話番号、株主番号などをお電話でお聞きして、お手続きをします。電話が込み合っている時や業務時間外に、オペレーターに代わってPKSHA Voicebotでお電話をお受けしています。

法施行が2022年9月にあり、お問い合わせ対応は我々としても初めての業務であったため、想定外の入電に対する備えとしてPKSHA Voicebotの活用を決めました。実際に2022年12月、それまでの月平均の8.6倍という想定外の入電があった際、受電の5割をPKSHA Voicebotで受け付けることができました。

 PKSHA Voicebotの運用を始めてから、より上手く活用するために「適切な顧客回答を引き出すためには工夫が必要」「ご案内文言は最小限が良い」といった気づきが多数あり、そのたびに修正をしました。このような気づきを、ユーザー自身が素早くシステムに反映して改善に繋げることができる点も、PKSHA Voicebotの強みだと感じています。

PKSHA FAQご活用事例:株式会社アイシン様

続いてPKSHA FAQをご活用いただいている株式会社アイシン様から、グループコーポレート基盤本部TQM推進部の丸谷様とDX戦略センターDXマネジメント部の奥谷様にお話しいただきました。以下、講演内容をご紹介いたします。

ナレッジマネジメント推進には優れたFAQが不可欠

PKSHA FAQを導入する以前に使っていた社内問い合わせ対応のための旧FAQシステムには、様々な課題がありました。例えば、アクセス集中により度々ダウンしていたことや、検索性能が悪く自己解決が進んでいなかったといったことです。カテゴリーが設定できないためにIT分野についてのみ情報を掲載しており、それ以外の問い合わせについては電話やメールでしか対応できていませんでした。

こうした課題を解決するため「社内FAQプロジェクト」を立ち上げ、FAQシステムの刷新に向けて動き出しました。プロジェクトの目的として、先ほど挙げた課題の解決だけでなく、ナレッジマネジメントの推進を掲げました。

我々はナレッジを「社員が分からなくて困っていること」、ナレッジマネジメントを、「従業員個人の知識を組織的に共有し、新たな知識を創造すること」と定義しています。ナレッジマネジメントの実現のためには、最初のステップとしてFAQシステムを使った社内問い合わせ対策による自己解決の向上、次のステップとして、自部署業務のナレッジをFAQ上でQ&Aとして共有することによるナレッジの属人化の解消が必要になります。

この2つのステップが実現できると、最後のステップとしてナレッジマネジメントの推進が可能になると考えています。まだナレッジマネジメントの推進には至っていませんが、その前のステップを確実に進めることで、将来的に実現できるようにしたいと考えています。このいずれのステップにおいても、優れたFAQシステムが必要不可欠です。

6社の製品を比較し、PKSHA FAQを採用

新しいFAQを選定するに当たり、PKSHA FAQを含む6社の製品を比較しました。特に、検索性、カスタマイズ性、ランニング費用の3点を重視して選定したところ、いずれにおいてもPKSHA FAQが高い評価であったため、採用を決めました。

導入後は、FAQを多くの社員に使ってもらえるよう、社内ポータルのトップページに導線を作りました。親しみを持ってもらえるようにシステム名を「Q&A-Smile」と名付け、専用のロゴもデザインしました。

新FAQは、IT以外にも多くの社内問い合わせに対応するため、「安全・健康」「教育・研修」「人事・福利厚生」といった様々なカテゴリーを設定し、一目見て分かるようカテゴリーごとにアイコンをデザインしました。

自己解決率が48%に

2022年9月にPKSHA FAQを導入し、これまでの約1年間で、23部署が利用を開始しています。2025年末までには全140部署で利用を始める計画です。

これまでの1年間で49万740件のアクセスがあり、全従業員の57%に当たる2万370人が利用しています。PKSHA FAQのアンケート機能から、解決率が48%に達していることも分かりました。

従来、質問者と回答者の間で、1回の問い合わせにつき10分の会話が発生していたと仮定すると、新FAQの導入により、累積で39259時間分の削減ができた計算になります。

グループ会社や取引先にも展開を予定

弊社は今後、PKSHA FAQの社内展開を進めると共に、グループ会社への展開も進める計画です。2024年度以降は取引会社様への展開も進めようと考えています。

2023年度の後半からはチャットボットも導入する計画です。弊社内で使用した後、国内グループ会社にも展開しようと考えています。

PKSHA Chatbot/FAQご活用事例:
株式会社ビジュアルリサーチ様

株式会社ビジュアルリサーチの中尾様からは、PKSHA ChatbotとPKSHA FAQの2製品の導入についてお話しいただきました。以下、講演内容をご紹介いたします。

電話対応の負荷で離職率が高かった

当社は不動産業界向けに業務支援システムを開発・販売・保守しています。提供しているシステムは賃貸管理支援システムが2種と、賃貸仲介支援システム、売買仲介支援システムの計4種で、これをお使いいただいているお客様からのお問い合わせ対応にPKSHAのツールを活用しています。

私はサービス本部に所属しており、サービス本部はお客様対応全般を担当しています。サービス本部内にコンタクトセンターチームがあり、計16人の正社員のオペレーターがいます。アルバイトの方は雇っていません。

PKSHA Chatbotを導入する以前は平日の10時から18時まで、電話とメールのみでお問い合わせに対応しており、お問い合わせの90%以上がお電話でした。課題は、資料を見ればお分かりいただけるような定型的な質問や、同じお問い合わせが何回もあることで、これによってオペレーターへの業務負荷が高まり、離職率も上がってしまっていました。

チャットボットとFAQを連携するためPKSHAを選択

3年前に賃貸仲介支援システムと売買仲介支援システムをリニューアルすることになったタイミングで、電話以外のチャネルでも問い合わせ対応したいと考え、これらのシステムに関する問い合わせ対応のために新しいツールの検討を始めました。

それまで電話対応しかしていなかったので、チャットボットを取り入れる場合は、有人チャットと並行して利用できる必要があると考えました。加えて、定型的なものはFAQに流したい、システム障害など緊急的なものに絞ってオペレーターに対応させたい、といったことを考え、選定の条件にしました。

検討の結果、すべての希望を満たすためには、チャットボットと有人チャット、FAQを組み合わせる必要があるという結論に至りました。チャットボットとFAQを組み合わせて運用することになるので、それらの内容見直しを簡単にできることも重要だと考えました。

様々なツールを比較検討したところ、PKSHA Chatbotであれば、チャットボットと有人チャットの両方の機能があり、PKSHA FAQも導入すればシームレスに連携できることが分かりました。AI機能を備えており、お問い合わせの内容をキーワードだけでなく自然言語として理解し、回答できることは大きな魅力でした。価格は比較検討した他のツールよりも高めだったのですが、PKSHAが最もトータルの作業コストを下げられると考え、導入を決めました。

チャットボットを問い合わせの窓口に

現在の運用は、まずチャットボットで選択肢を設けています。当てはまるものが無い場合は、フリーワードで入力していただき、その内容から関連するFAQをご案内します。それでも問題が解決しない場合は、有人チャットに繋ぐ、という流れです。

FAQは、営業時間外の問い合わせ対応にも活用しています。営業時間外はメールでのお問い合わせも受け付けているので、これらで24時間お問い合わせにご対応する、という形にしています。

少し工夫したのが「●●の物件の101号室の画像が上手く表示されない」といった、定型的な内容ではあるものの、自己解決が難しい問い合わせへの対応です。そういったものについても、お問い合わせフォームに誘導して定型的に対応できるようにし、有人チャットへの流入を抑えています。

PKSHA導入による4つの効果

導入効果は大きく4つあります。1つ目は電話窓口を無くし、リアルタイムでの有人対応をチャットのみにしたことにより、緊急度が高いお問い合わせを取りこぼさず、オペレーターが対応できるようになったことです。電話が窓口の場合は、緊急度が高いものであっても繋がらない、ということが起きてしまいますが、チャットであれば受付は必ずできます。この効果は大きいと感じています。

2つ目は、有人チャットに至る前にFAQをご案内することによる自己解決率の向上です。お電話いただいた方にFAQをご案内するのはハードルが高いので、この点はチャットボットを窓口にするメリットだと思います。

3つ目は、お問い合わせ履歴の参照が容易かつ正確になり、オペレーター間の情報共有がスムーズになったことです。以前はクレームがあった際など、情報を上げてもらっても温度感などが分からず、音声を聴き直す必要がありました。チャットであれば、読むだけでやり取りが把握できます。当社のオペレーターはフルリモートで仕事をしているので、情報共有がしやすくなったことも、とても意義がありました。

4つ目は、電話による口頭でのやり取りで感じていたストレスの緩和です。テキストでのやり取りのほうがストレスが低いというオペレーターが多いため、離職率の低下にも寄与するのではないかと感じています。

主力製品の問い合わせ対応にも活用する

これまでは提供する4製品のうち、問い合わせが少ない2製品でPKSHAのツールを使ってきました。2023年中には、問い合わせが最も多い賃貸管理支援システム「i-SP」についても、PKSHAのツールを導入したいと考えています。

i-SPについては、月間3000件ある問い合わせのうち、96%が操作説明に関するものです。このうちの39%は、チャットボットで対応可能であるという分析結果が出ているので、PKSHAのツールを導入し、オペレーターの負荷軽減を図る所存です。

PKSHA Voicebotご活用事例:株式会社レオパレス21様

株式会社レオパレス21様の大嶋様からはPKSHA Voicebotのご活用についてお話しいただきました。以下、講演内容をご紹介いたします。

ノンボイス化を進めるも限界に直面

当社はコア事業として、アパートの建築から入居者様の募集や管理までを一括で行っております。2023年3月現在で当社の管理物件が全国に約56万世帯あり、そこにお住いの入居者様、ご所有のオーナー様、近隣にお住いの方、関係する行政などから、賃貸管理に関わるお電話を国内4拠点にあるコールセンターで24時間365日お受けしています。コール数は月平均で3万件、繁忙期になると6~7万件になります。年間で合計50万件ほどです。

PKSHA Voicebotの導入以前は大きく3つの課題がありました。1つ目はオペレーターの慢性的な人材不足です。募集をかけて育成しても、なかなか定着率が上がらないことが課題でした。

2つ目は電話応答率の低下です。1つ目の課題とも関連しますが、適正な人材配置ができないことにより応答率が低下するという状態が長く続いていました。

3つ目はノンボイス化の限界です。電話応答率を改善するため、2019年からオペレーションのノンボイス化を推進していました。WebフォームやFAQ、チャットボットなどを活用することで、2019年度に90%だった電話対応の比率を、2022年度には35%まで下げ、残りをノンボイスで対応することに成功しました。しかしこの時点で、「これ以上ノンボイス比率を高めることは難しい」という状況になり、電話応答に対してテコ入れをする施策として、ボイスボット導入の検討を始めました。

1か月半での短期導入に成功

2023年1月からボイスボットの検討を始め、PKSHAを含め4社のツールを比較しました。コスト、音声の認識率、運用時の管理のしやすさ、導入から構築までのサポート体制、短期で導入できるか、という5つを重要項目として選定しました。

特に重要視していたのが、短期導入です。当社でお問い合わせが1番多いのが、引っ越しのシーズンである3月から4月になります。この時期に利用できるよう、2月末までに導入したいと考えていました。1か月半ほどしかありませんでしたが、PKSHAの方から、「確実にできます」とお答えいただいたことは、大きな決め手になりました。

PKSHA Voicebotを活用しているのは、非常に電話での問い合わせのボリュームが大きかった鍵の不具合や紛失関連のお問い合わせです。PKSHA Voicebotの導入前は、オペレーターが契約の内容や物件情報、鍵を無くした状況や不具合の内容などについてうかがった後、一度電話を切り、そのエリアの提携業者様に連絡して到着時間などを確認し、再度お客様にお電話して確認を取ってから業者を手配する、という流れでした。

PKSHA Voicebotの導入後は、Voicebotで契約内容や物件情報、鍵の紛失や不具合についての状況を受け付けます。会話の音声をテキスト化し、内容から「今お部屋に入れているか、いないのか」といったことを基準に優先順位を付けた上で、4拠点のオペレーターに問い合わせ内容をメールで自動送信しています。


受電の55%をVoicebotが対応

導入直後で、繁忙期である2023年3~4月は前年同期比で応答率が20%程改善しました。その後も9月まで安定した応答率をキープできており、前年同期比で約16%改善しています。

PKSHA Voicebotが受電する割合を、当初は3割程度と想定していましたが、大きなクレームなどのトラブルが無かったため、現在では55%に達しています。

コール対応のコストも削減できています。鍵関連のお問い合わせについて、導入後には約20%の削減を達成しました。

今後も、運用しているフローのチューニングに継続して取り組み、完結率の向上を図っていきます。

将来的には適用範囲の拡大も考えています。当社のコールセンターはこれまで、入居済みのお客様からのお問い合わせに対応してきました。2023年9月には、お部屋探し中の新規のお客様向けのコールセンターを新たに開設しました。今後は、このセンターにおいてもPKSHA Voicebotの導入を検討します。

PKSHA FAQご活用事例:SBI損害保険株式会社様

SBI損害保険株式会社代表取締役社長の五十嵐様とリスク・コンプライアンス部の木村様からはPKSHA FAQのご活用についてお話しいただきました。以下、講演内容をご紹介いたします。

有人対応の負荷軽減を目的に社内FAQを刷新

当社はお客様対応の窓口として、2009年に「SBI損保のWebチャットサービス」という有人チャットの窓口を作り、お問い合わせにリアルタイムで回答してきました。有人チャットではお問い合わせに素早く回答する必要があるため、コピー&ペーストして使える定型文を2000以上作成しました。

この定型文を社内FAQとして活用できるように、もともとお客様向けのFAQサイト「よくあるご質問」で利用していたPKSHA FAQの中に社内限定表示のフォルダを設定して登録し、利用していました。

しかしながら、「よくあるご質問」はお客様によくご活用いただいている一方で、社内FAQは一部の社員にしか使われていないことが長年の課題になっていました。この課題を強く意識した最初のきっかけは契約関連のコールセンターからの相談だったのですが、その後に保険金支払部門や商品開発部門、管理部門などにもヒアリングしたところ、皆共通して「社内FAQのコンテンツは整っているのに、見てくれない。同じ問い合わせが繰り返しある」ということに悩んでいることが分かりました。

そこで「使ってもらえる、使える社内FAQを作ろう」と考え、各部門から2~3名と、東京と九州のコールセンターのメンバーも集め、部門横断で社内FAQを刷新するプロジェクトを開始しました。

問い合わせ窓口としてPKSHA Chatbotを採用

何故既存の社内FAQが使ってもらえないのかをプロジェクトのメンバーで話し合ったところ、「検索が面倒で、目的のFAQにたどり着けない」ということが大きな課題であることが分かりました。解決策を考えるうちに、チャットボットを導入してはどうかという意見が出ました。

チャットボットを導入し、それを社員に周知してチャットボットに質問するように誘導できれば、有人対応が減り、業務効率の向上が図れます。その一方で、それなりのコストが発生するため、経理財務部門の承認が必要になります。

承認を得るため、PKSHA FAQと連携がしやすいPKSHA Chatbotを入れた場合にどれだけの業務が削減できるかを細かく算出し、導入コスト以上のメリットがあることを示すことにしました。その結果、無事に予算を確保することができました。

大がかりなプロジェクトになったため、従来のお客様向けFAQの中に社内FAQがある形を改め、独立した新たな社内FAQを構築することも決めました。

チャットボットをオリジナルのアバターに

導入決定後も、「折角コストを掛けるのだから使ってもらわないと意味がない」と考え、プロジェクトメンバーで話し合いを重ねました。そこで決まったのがオリジナルのアバターを作り、チャットボットを使う際にはそのアバターが回答しているような形にしよう、ということでした。

このアイデアが出てからは、「社内公募にしよう」「採用者に賞品を出すキャンペーンにすれば、認知度向上も同時に図れる」「表彰式をやって、社長から賞品を授与してもらおう」といったアイデアが次々に出ました。こうしたアイデアを、様々なところに働きかけて実現していきました。

PKSHA Chatbotの導入1年目に開いた表彰式は、コロナ禍であったためオンラインで行いました。アバターの名前は「恵寿美 愛」と「チャットくん」に決まり、恵寿美 愛は「愛ちゃん」の愛称で親しまれています。2年目は社内FAQの呼称も公募して「教えて!愛ちゃん」に決定し、対面の表彰式を開きました。

愛ちゃんに名称が決まってからも、チャットボットを知ってもらうための様々な活動をしてきました。業務システムのメニュー画面に設置するために愛ちゃんのイラスト入りの専用バナーを作ったり、愛ちゃんを掲載した配布物や掲示物、広報メールを作ったりしました。こうした活動の結果、今では愛ちゃんが、社内で非常に人気になっています。

K6-4

知名度向上のための活動と並行し、FAQ自体を優れたものにするための取り組みも行っています。まめに追加・更新し、要望や意見をタイムリーに反映し、データを迅速に集計・分析することは、FAQの利用率を高めるために欠かせませんし、プロジェクトメンバーのモチベーションの向上にも繋がります。

チャットボットに話しかけられるようにしたい

社内では「分からないことは、取り敢えず愛ちゃんに聞いてみよう」という文化が醸成されつつあます。

今後は、チャットボットにテキストを入力するのではなく、音声で話しかける形にできたらと考えており、PKSHA様にアップデートを期待しています。

FAQのメンテナンスについても要望があります。現在は私達がメンテナンス作業を担当していますが、その作業を自動化する機能や、メンテナンスすべき部分を教えてくれる機能を追加していただけると、より利便性が高まると感じます。