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利用されるFAQサイトは何をしてる?認知獲得やデザインの打ち手を解説 - CXジャーナル

作成者: 片岡 利之│FAQ活用トレーニング講師|Mar 27, 2022 3:00:00 PM

「FAQコンテンツが用意されている」という認知を拡げたり、
認知だけでなく利用されるFAQサイトを実現するためにあれこれしたり、
いったい何が正解なのでしょうか?

本記事では、国内シェアNo.1のFAQシステム『PKSHA FAQ』を開発・提供する、PKSHA Communicationのカスタマーサクセス担当・FAQ活用トレーニング講師の片岡 利之が、認知獲得や利用促進という課題への有効な打ち手をご紹介します。

<スピーカー情報>

片岡 利之

FAQ活用トレーニング講師 /
株式会社 PKSHA Communication カスタマーサクセス本部

 

FAQアクセスを伸ばす3フェーズ

第5回記事『どうしたらFAQサイトを見てもらえる?ユーザー理解と導線設計の考え方を解説』では、はFAQを見てもらうためのユーザー理解の考え方や、FAQコンテンツへ至るまでの導線の棚卸し等について解説しました。

▼第5回記事はこちら


 

今回は、より具体的な施策についてご紹介したいと思います。

FAQのアクセスを増やすための取り組みには3つのフェーズがあります。この際、“商店”に例えて考えると、それぞれの施策の意味を理解していただきやすいのではないかと思っています。

(1) 呼び込む

まずは商店(FAQサイト)があることを知ってもらうことが重要です。
お店を開いただけではなかなか人が来ないのと同様に、FAQを設置しただけでは見てもらえません。知ってもらうための施策を講じましょう。

以下、企業が実際に行っている取り組みをご紹介します。

①企業サイトのTOPページへの積極的な露出

あるガス会社さまでは、自社サイトのトップページに「ガス料金」、「引っ越しの際の手続き」など利用者の関心が高い項目を並べています。そして、その中に「よくあるご質問」というFAQへのリンクを設置しています。

この形であれば、ユーザーはトップページで知りたいものを探す流れでFAQに辿り着けます。
この事例は、メインサービスとFAQを同列の粒度で扱っているケースといえます。

② お問い合わせの関連ページへの積極的な露出

ある金融会社では、グローバルナビに「サポート」という項目を設けています。サポートページに飛ぶと、「よくあるご質問」という名前でFAQが一番上に表示されます。

ページを下までスクロールすると、問い合わせ用の電話番号やメールアドレスが表記されています。

FAQ運用の目的に、問い合わせを減らすことがあるのであれば、ユーザーが問い合わせに辿り着く前に、FAQを見てもらう必要があります。そういった意味で、これらのページ作りは理にかなっていると言えます。

③ 広告を打ち出す

これは、サイト自体のデザインとは異なりますが、人を呼び込むための関連設計になるのでご紹介します。

Google/Yahoo広告も、FAQへの呼び込みに生かすができます。サービスの利用者を増やす目的で広告を打つことは多いと思いますが、その際にFAQへのリンクも表示することで、FAQへのアクセス増加が期待できます。

④ SEO対策

PKSHA FAQは標準でSEO対策の機能を備えています。SEO対策は非常に効果があり、うまく行えば企業規模などに関係なく検索結果の上位に表示させることができます。

PKSHA FAQでは、FAQのタイトルとコンテンツの先頭200文字が、SEOのタグとして自動でセットされます。そのため、これらをユーザーがよく使う言葉に寄せて作成することができれば、高いSEOの効果が期待できます。

⑤ 問い合わせ者へのヒアリング・FAQ訴求

「FAQが利用されていないのであれば、なぜ使われないかをユーザーに聞けばいい」という考えに基づく施策です。
とくに実践しやすいのは、サイトの利用者が目の前にいる社内向けFAQの場合です。

社外向けであっても、利用者の声を集める導線をうまく設定できれば、効果が期待できます。

(2) 店内整理

次は店内整理です。
呼び込みをして店に来てもらったとしても、お店の中の分かりやすいところに欲しい商品がなかったら購入されません。

FAQサイトの場合、呼び込んだユーザーに対し、欲している情報をスムーズに見てもらうことを考えます。

① スーパーアシスタント(レコメンド)

あるポイントカード会社さまのサイトでは、「スーパーアシスタント機能」を使っています。
見た目は普通のお問い合わせフォームなのですが、内容を入力した後に「次へ」を押すと、書かれた内容に沿ったFAQを表示することができます。

このFAQの中に求める情報があれば問題が解決しますし、情報がない場合は画面を下にスクロールすれば普通のお問い合わせフォームとして使うことができます。

この企業はFAQを導入したものの、問い合わせ件数が減らないことに悩んでいました。その解決を目的にスーパーアシスタント機能を導入したところ、大きな成果が上がったということです。

注意点としてあるのが、この機能を有効に使うためには、ここに表示するためのFAQが十分に揃っている必要があります。ユーザーは表示されたFAQに求めている情報がない場合、かえって問い合わせが面倒になった、と感じます
自社のFAQの整備状況に応じて、活用を考えていただけたらと思います。

② デザイン化(読ませずに、見せる)

FAQシステムではなく、古いタイプのファイルサーバーなどを使ってFAQを構築している場合、ビジュアル面で非常に使い勝手が悪くなっている場合が多々あります。
こういったケースでは、文字が小さかったり、全ての情報が並列して配置されていて、欲しい情報になかなか辿り着けません。

これを解消するには、ユーザーが見たいと思う情報が一目で分かるようにする必要があります。

ある生命保険会社さまでは、FAQの検索窓の下に、最新のFAQやよくある質問など、ユーザーのニーズに合致する可能性の高い物を表示しています。

また、ある化粧品メーカーさまのFAQサイトでは、よくある質問をアイコン化して並べており、ユーザーはアイコンを見るだけで自分の欲する情報に合致するかを理解できます。

③ 表記ゆれ、ゆらぎ、文章検索への対応

ユーザーは、話し言葉や略称など、同じ意味でありながら違う言葉を検索に使うケースがよくあります。そうした表記ゆれにも対応することは、検索精度を高める上で必須になっています。

PKSHA FAQの場合、デフォルトの機能である程度のゆらぎや略語には対応しています。ただし、企業が固有に使うサービス名や企業名などについての表記ゆれにはデフォルトでは対応できませんので、手動で類義語登録などをしていただく必要があります。

④ 属性検索

複数の属性を組み合わせて検索することで、候補となるFAQを絞り込み、検索精度を上げる手法です。

ある自動車会社さまでは、車種の情報と、カーナビなどやオーディオなどのオプションの情報を組み合わせて検索検索できるようにしています。
2つの属性の組み合わせ方として、ANDまたはOR条件を設定できます。

⑤ フォールバック検索

フォールバック検索は、単語検索で何もひっかからない場合に、文章検索での結果を表示することができます。この手法は0件ヒットの抑止に繋がるため、サイト全体で0件ヒットを無くす取り組みをしているようであれば一定の効果が見込めます。

ただし、文章検索で表示される検索結果は単語検索とは異なるため、結果が表示されたとしてもユーザーの欲しい情報に合致しない場合が多くなる恐れがあります。それでも利用するメリットがあるかを考慮してお使いいただけたらと思います。

⑥ ウィザードFAQ

検索結果を出す前に、事前に質問を投げて精度を高める手法です。

例えば、「海外でスマートフォンを使いたいのですが、どの料金プランを選べばいいか分かりません」という質問に対し、「渡航先は何か国ですか」「どれくらいの通信速度が必要ですか」「どんなことにお使いですか」といった質問をウィザード形式で行い、対応するFAQを表示します。

これは質問に対して、ユーザーの環境や使い方、目的によって回答が異なる場合に有効です。
一つのFAQに対して回答を複数書いてしまうと、ユーザーは自分がどれに当たるのか分からない場合があります。そうしたことを避ける目的でウィザードFAQを活用します。

(3) 再来店

最後のポイントは再来店です。
これは1度お店に来てもらった顧客に、もう一度来てもらうための施策です。FAQにおいても、何度も同じユーザーに利用してもらうためには同様の施策が必要です。

① 注目FAQ

管理者がユーザーに見て欲しいコンテンツを指定します。サイト上では「注目のFAQ」等の項目名で表示します。

これは同様の問い合わせが増えている場合などに効果的です。問い合わせを考えていないユーザーにとっても、今重要な情報が見られるという利便性があります。

② お気に入りFAQ

「お気に入りFAQ」は、ユーザーがまた見たいと思ったFAQコンテンツをお気に入り登録できる機能です。

例えば、「ログインパスワードを忘れた場合」など、ある程度の期間ごとに発生する可能性がある問題について活用されるケースが多い機能になります。

③ メールマガジンでのFAQ配信

何かしらのキャンペーンのメールマガジンを会員向けに配信する際に、キャンペーンについてよくある質問や、問い合わせが予測できる質問についてのリンクを本文に貼ることで、自己解決を促します。

④ メールでのお問い合わせ回答に補足FAQ

メールでお問い合わせいただいた質問に回答する際、追加質問がありそうな内容についてのリンクを本文中に貼っておく、という施策です。

メールの場合、問い合わせいただいたお客様の背景が分からないことがよくあるので、お客様の背景によって変わる可能性のある対応策を記載します。これは非常に良く使われる手法です。

ユーザー接点の最適化には、適切なKPIと運用を

ここまで計6記事に渡り、FAQサイトの運用についてご説明してきました。
本連載でお伝えしている通り、FAQサイト(FAQシステム)を活用して顧客・パートナー・従業員との接点を最適化していくためには、適切なKPI設計や運用進行が欠かせません。

弊社・PKSHA Communicationでは、自社FAQシステム「PKSHA FAQ」をご利用のお客様以外へも、FAQのアセスメントサービス等を展開しています。
もしご興味がございましたら、下記フォームよりお気軽にご相談いただければと思います。

▼お問い合わせフォーム
https://aisaas.pkshatech.com/contact-other/

 

<補足>
PKSHA FAQ」は、11年連続国内シェアNo.1(※)のFAQシステムです。
世界最大のヘルプデスク業界団体HDIの日本法人HDI-Japanと共同で策定した「FAQ Management」に準拠し、独自の特許技術(特許第4512103号)を保有。
FAQサイト制作や更新作業をWebブラウザ上から簡単に行えるほか、AIによる支援機能を搭載し、平均30%のお問い合わせを削減する導入効果が出ています(自社調べ)。
金融、情報通信、製造、流通など様々な業界業種のエンタープライズ企業や、メガバンクをはじめとした大手金融機関、自治体等で利用。
2005-2006ではグッドデザイン賞(商品デザイン/ソフトウェア部門)を受賞しています。

■詳細はこちら:https://aisaas.pkshatech.com/faq/

※出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所「マーテック市場の現状と展望2022年度版 クラウド型CRM市場編(第6版)」

 

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