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新型コロナウイルスの影響で実店舗の休業を余儀なくされた流通・小売業界。対面によるサービス力を発揮しづらい状況で、顧客へのサービス提供をどのように考えるべきなのでしょうか?
「目指すのは、お客さまがお問い合わせをしなくてもいい状況を作ること」
そう話すのは、オルビスの太刀川 侑希 氏。
スキンケアを中心としたビューティブランドを展開するオルビスでは、従来の電話やメールによるカスタマーサポートに加え、FAQやチャットを活用して、オンラインと実店舗をシームレスにつなぐ取り組みを進めています。
同社CS推進グループの皆さまに、新たな顧客体験を創出するための取り組みをお聞きしました。
<スピーカー情報>
オルビス株式会社
CRM統括部 CS推進グループ
太刀川 侑希 氏
舩守 麻衣 氏
野中 智絵理 氏
太刀川:
オルビスは創業から34年 を迎えます。創業当時はまだ珍しかった「実店舗を持たない通販会社」としてスタートしました。現在はスキンケアを中心としたビューティブランドとして、通販に加えて実店舗、さらに海外事業やBtoB事業も展開しています。
また、創業時から一貫して「肌本来の力を引き出す」ことを重視しており、「ここちを美しく 。」というブランドメッセージを発信しています。
※参照元:オルビス社のブランドページ「THOUGHT|ここちを美しく。」
売上構成比は通販が約7割、そのうちECが約7割となっており、EC比率が高い会社です。近年はアプリコアのビジネスにも注力し、「パーソナルAIメイクアドバイザー」や「AIアイブローシミュレーター」などのサービスを提供しています。
お客さまとのコミュニケーションにおいては、通販と実店舗のシームレスな顧客体験を目指し、電話とメール、チャットなどを組み合わせて、お客さま一人ひとりに合わせたご提案に努めているところです。
また、新型コロナウイルスをきっかけに、Zoomを活用したオンラインカウンセリングにも取り組み始めました。一時期は感染拡大によって実店舗が休業し、ビューティーアドバイザーが店頭に立てない状況になってしまったのです。お客さまとのタッチポイントを維持していくための取り組みとしてスタートし、ご好評をいただいています。
太刀川:
前述の通り、オルビスは「ここちを美しく。」というメッセージを発信して、コミュニケーションにおいてもお客さまにここちよく、ストレスフリーなお買い物体験を提供したいと考えています。
一方で、近年ECの受注比率が高まる中で、人を介さずに購入が完結するようになり、お客さまとの関係性が希薄化することへの課題感も生まれていました。同時にECでは、お客さまが自己解決・即時解決できる環境を作ることも重要です。
そのためにUIやコンテンツを整備しつつ、お客さまに必要なサポートを届けられる環境を構築したいと思っていました。
そこで導入したのが「PKSHA FAQ」です。
実は導入前までは他社さまのツールを活用していたのですが、PKSHA FAQの検索性に魅力を感じてリプレイスを決めました。
また、メンテナンスがしやすく、運用する実務者の立場から見て手がかからないといった点も魅力でした。
以前は自前で問い合わせフォームを作っていましたが、入力フォームが1種類しかなく、せっかくお客さまからお問い合わせをいただいても、必要な情報を入手しきれないという課題がありました。
EC比率が高まる中で、お問い合わせ対応ではお客さまがお使いのデバイス環境を確認しなければ的確に回答できないケースもたくさんあります。フォームを適正化できなければ、お客さまの文章力に頼ることになってしまい、何よりもお客さまのお手間を増やしてしまうことにも繋がりかねません。そうした課題を解決していく意味でも、大きな期待を持って導入しました。
太刀川:
ところで オルビスのコールセンターは、お問い合わせ窓口だけではなく、受注センターとしての機能も持っています。そのためコール数自体はとても多いです。
他社さまの場合は受電数を減らし、対応の工数を削減することを重視しているケースもあると思うのですが、当社の場合は単純に受電数が減ると困ってしまいますし、対応にあたる人員を減らしたいわけでもありませんでした。メールなどでいただくお問い合わせについても、積極的に数を削減することを目的にはしていません。
ただ、サービス品質を高めていくには「お客さまがお問い合わせをしなくてもいい状況を作ること」が何よりも大切ではないかと考えています。
カスタマーサポートは、お客さまに私たちのブランドをここちよく 、快適に体験していただくために存在します。だからこそ、お問い合わせしにくくするのではなく、お問い合わせが必要ない状態を目指しているということです。
舩守:
こうした考え方を踏まえて、CS推進グループでは、PKSHA FAQのレポートをもとにサイトセッション数やアクセス数、お問い合わせ件数、0件ヒット率をKPIとして見ています。
アクセスされているカテゴリーやキーワードなども一覧で確認し、お問い合わせが増えている部分を把握して、お客さまが負担なくFAQを見て解決できるようにコンテンツ内容を更新しています。
また、毎月新商品が出るので、そのタイミングでも必ず商品に関するFAQを更新します。
こうしたメンテナンスやチューニングは私を含め、3名のメンバーで対応しています。PKSHA FAQの管理画面では随時状況を把握でき、スピーディーに対応することができるので、とても助かっていますね。
野中:
私はFAQのレポートに加え、チャットのログやアクセス件数も確認して対応しています。定性面では、お問い合わせ内容についてもテキストマイニングできる仕組みを構築しており、テキストデータを集約して全社展開しています。
このように定量・定性の両面からお客さまニーズを紐解いていくことが重要だと感じています。
舩守:
コロナ以降は、お客さまの動向にも大きな変化がありました。以前は実店舗のみでお買い物をされていたお客さまが、新たにECを利用されるケースも増えています。それに伴い、以前は店頭でしか質問されなかった内容を、電話やメールでもお問い合わせいただくようになりました。
店舗が休業になった際にはポイントの有効期限に関するお問い合わせが急増していましたし、「○○店にこの商品の在庫はありますか?」「○○店ではタッチアップ(ビューティーアドバイザーによるメイク)ができますか?」といった形で、事前確認の上で来店されるお客さまも増えています。
野中:
チャネルを超えて「ひとつのオルビス」として見ていただけるようになってきているのかもしれませんね。
コロナ以前と比べて、FAQやチャットのアクセス数は倍増しています。FAQやチャットといったデジタルツールを、お客さま自身が気軽に使いこなしていると感じます。
太刀川:
今後も変化に対応しながら、私たちは「ここちを美しく 。」を体現するカスタマーサポートを目指していきたいと思っています。
デジタルコミュニケーションの拡充という観点では、FAQ以外にもチャットを活用していますが、今後はさらにハイブリッド活用を進めていく予定です。
チャットは電話や対面のやり取りに近い形でインタラクティブにコミュニケーションできる一方で、短時間のやり取りのため、1回あたりの情報量が少ないという弱点もあります。
チャットのやり取りにFAQリンクを盛り込んだり、動画を貼ったりなど、情報濃度を高めていくための取り組みも大切だと考えています。
カスタマーサポートはもちろん、ブランド全体で力を合わせて、お客さまの期待を超える感動体験を提供していきたいですね。
<補足>
「PKSHA FAQ」は、11年連続国内シェアNo.1(※)のFAQシステムです。
世界最大のヘルプデスク業界団体HDIの日本法人HDI-Japanと共同で策定した「FAQ Management」に準拠し、独自の特許技術(特許第4512103号)を保有。
FAQサイト制作や更新作業をWebブラウザ上から簡単に行えるほか、AIによる支援機能を搭載し、平均30%のお問い合わせを削減する導入効果が出ています(自社調べ)。
金融、情報通信、製造、流通など様々な業界業種のエンタープライズ企業や、メガバンクをはじめとした大手金融機関、自治体等で利用。
2005-2006ではグッドデザイン賞(商品デザイン/ソフトウェア部門)を受賞しています。
■詳細はこちら:https://aisaas.pkshatech.com/faq/
※出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所「マーテック市場の現状と展望2022年度版 クラウド型CRM市場編(第6版)」
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