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チャットボットは顧客の質問に対して、適切な回答を返してくれる便利なシステムです。
うまく活用すれば、お客様を待たせすることがないため顧客満足度の向上に繋がります。そのうえ顧客対応をチャットボットが肩代わりしてくれるため、従業員の負担も大幅に減らせるでしょう。
チャットボットはベンダー提供のツールだけでなく自社開発も可能なため、まずは「チャットボット専用の作成ツール」の活用を考える企業さまも少なくないでしょう。
本記事では、作成ツールと自社開発それぞれの導入方法について紹介します。
チャットボットの作成において出戻りが発生するほか、導入後に有効活用できない可能性があるため必要なステップを確実に踏むことが大切です。
まずチャットボットを導入する目的と、チャットボットに解決させたい社内の課題を明確にしましょう。目的と課題が明確化できれば、チャットボットに組み込むシナリオの作成やFAQデータを収集する段階で混乱を防ぎやすいです。
またチャットボットの導入で実現させたい効果を明確にしましょう。目的を達成するための運用方針が定められ、チャットボットを有効活用させやすくなります。
一般的なチャットボットには以下の4種類があります。導入するチャットボットの種類を決定します。
チャットボットの種類 | 特徴 |
---|---|
シナリオ型(ルールベース) | 顧客が質問した際、あらかじめ組み込まれたシナリオ通りに回答するチャットボットです。 答えがある程度決まっている場合や、商品説明または取扱説明書などに適しています。 |
AI型 | 人工知能が搭載されたチャットボットで、質問の意図を解析して適切な回答を返します。 精度を上げれば表現の「揺らぎ」や抽象的な質問にも答えられるようになります。 |
一問一答型 | 1つの質問に対して回答を1つだけ返すチャットボットです。 あらかじめ用意した質問と回答を組み込んで作成したり、1つの質問を解析し最適な回答を1つ返すよう作成したりできます。 |
ハイブリット型 | シナリオ型とAI型の両方を兼ね備えた一問一答型のチャットボットです。 顧客が手入力した質問を分析して返答します。回答には条件分岐が含まれており、分岐をたどりながら顧客を適切な回答に導きます。 |
導入するには「作成ツールの活用」と「自社開発」の2種類があります。「作成ツールの活用」は、専用のソフトを購入し画面に沿って入力して作成します。一方で「自社開発」は、画面デザインや機能およびチャットボットの動作などをすべて自社で作成します。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
作成ツールの活用 | ●特別なスキルが不要で誰でも簡単にチャットボットを作成できる ●ソフトを提供している会社のサポートが受けられる ●短期間で導入できる |
●ソフトの月額使用料がかかる ●自社の好みにカスタマイズできない場合がある |
自社開発 | ●ソフトの月額使用料がかからない ●すべて自社のオリジナルを作成できる ●顧客や運用側の要求に迅速に対応できる |
●高度な開発スキルが必要 ●開発費用と期間が大幅にかかる |
チャットボットの種類について、以下の記事でさらに詳しく解説しています。気になる人はそれぞれの導入方法のメリットとデメリットをチェックして、自社にあった方法で導入しましょう。
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チャットボットに組み込むためのFAQデータを用意します。
チャットボットは組み込まれたFAQデータに基づき動作します。AI型チャットボットは顧客の質問を分析して回答しますが、スムーズに回答できるようになるまではある程度のFAQデータを組み込む必要があります。
FAQデータは、企業の公式サイトに掲載している「よくあるお問い合わせ」やこれまで企業に寄せられたお問い合わせ内容から作成します。
チャットボットの作成ツールを用いれば、画面に沿って入力するだけなので簡単です。
完成したチャットボットへ、何度も質問を繰り返してテストをします。「ユーザーへ誤解を与える回答がないか」「どれほどの表記揺れに対応できるか」を確認します。見落としがないようできるだけ複数人でテストをしましょう。
テストと修正を繰り返し、異常がないと判断したら公開します。公開後もテストを繰り返し、顧客の意見を参考に何度も修正して精度を上げます。シナリオの変更やチャットボット以外で寄せられたお問い合わせ内容の分析などが効果的です。
調整と修正を怠ると、チャットボットの精度が上がらず従業員の対応件数が減りにくくなるので、適切な対処が必要です。
チャットボットは非常に便利なシステムですが、機能や得手不得手を把握する必要があります。というのも活用方法が不適切だと、思うように成果が上がらない可能性があるためです。
シナリオ型やAI型などすべてのチャットボットに共通するメリットには以下のようなものがあります。
● 24時間365日休まず稼働できる
● 顧客をお待たせしない
チャットボットは休まず稼働するうえ顧客からの質問に即返答するため待ち時間が発生しません。これらのメリットは、人件費削減や人員不足の問題を解消および顧客満足度向上に役立つでしょう。
どのチャットボットを導入するかは「シナリオ型(ルールベース)チャットボット」と「AI型チャットボット」のメリットとデメリットを比較して選択します。
メリット | デメリット | 利用シーン | |
---|---|---|---|
シナリオ型(ルールベース)
|
●安価で導入できる ●短期間で導入できる ●定まった質問と回答なら毎回正確に答えられる |
●表現の揺らぎやシナリオ上にない質問には対応できない ●FAQデータがない場合は作成する必要がある |
●質問に対する回答が定まっている ●説明書 ●商品説明 |
AI型
|
●ソフトの月額使用料がかからない ●すべて自社のオリジナルを作成できる ●顧客や運用側の要求に迅速に対応できる |
●ソフトの月額使用料がかからない ●すべて自社のオリジナルを作成できる ●顧客や運用側の要求に迅速に対応できる |
●高度な開発スキルが必要 ●開発費用と期間が大幅にかかる |
得手不得手を把握すれば、チャットボットが対応する業務と従業員が対応する業務が明確になり業務効率が上がります。
例えばシナリオ型(ルールベース)チャットボットが苦手としているクレーム処理や個別対応は従業員が担当し、それ以外はチャットボットが処理するという運用ができます。
導入までの予定と確保すべき人員の数を把握するため、必要な工程と期間を見積もります。
作成ツールを活用して導入する場合は、導入を検討してから運用を開始するまで約1〜3か月かかります。 自社開発ならより長い期間が必要です。また導入から運用までの予算を把握するため、費用も見積もる必要があります。
作成ツールを用いて導入する場合、一般的な費用の内訳 は以下の通りです。
● 初期費用
● 契約費用
● 設定費用
● 月額使用料
(● 機能を拡張するための費用)
さらに導入までの費用はおよそ0〜30万円 で、運用時の費用はおよそ3〜10万円/月 です。作成ツールによっては初期費用が無料で月額使用料のみかかるケースがあります。
導入を検討している作成ツールが、シナリオを調整しやすい仕様になっているかを確認しましょう。調整がしやすければ運用時の負担が軽減されチャットボットの精度を上げやすいです。また導入までの行程がスムーズになるでしょう。
さらに言葉の表記揺れに対する柔軟性もポイントです。柔軟性が高いほど顧客の質問に対し適切な回答を返せます。
作成ツールを活用したチャットボットの構築は簡単ですが、いくつか必要な準備があります。この準備をおろそかにすると何度も修正を繰り返さなければならないリスクが高まります。
社内に蓄積されたFAQデータを集めてなければ作成します。チャットボットが対応できる案件の数が増えるため、FAQデータが多いほど顧客満足度や従業員の負担軽減にもつながります。
集める方法は、過去のお問い合わせ履歴や既存の「よくあるお問い合わせ」を参照するのがおすすめです。
集めたFAQデータを整理してシナリオとメッセージを作成します。
顧客が、画面に提示された項目から選んで質問する選択型のケースでは、1つの質問に対する顧客の選択肢は6つまで に絞りましょう。6つ以上提示すると、選択肢をすべて把握するのが大変なうえ混乱を招きます。
また、初めの質問から最終的な結論へ辿り着くまでには3〜5階層 以内に収めることをおすすめします。チャットボットとの会話が6回以上続くと、顧客はストレスを感じるでしょう。
画面の案内に沿ってシナリオやメッセージを入力します。
作成ツールは直感的にわかりやすい内容が多く、例えばマウスによるクリックとドラッグだけで自由にシナリオの入れ替えや修正ができます。またあらかじめ基本会話のテンプレートが用意された作成ツールもあり、シナリオ作成における工数が軽減できます。
公開前に必ずテストを行いましょう。テストするときはできるだけ複数人で行った方が誤りを見逃しにくいです。また手入力で質問するタイプの場合は、複数人でテストをした方が対応できる表記揺れを確認できます。解決へ導けたパターンやテストの数が多いほど、チャットボットの精度が上がりやすいです。
顧客が、提示された選択肢から選ぶタイプの場合は必ず全パターンのテストを行ってください。
オリジナルのチャットボットを作成したい場合は自社開発することが主な選択肢となります。導入まで非常に細かいステップを踏む必要がありますが、自社のシステムや仕組みに対応した特別なチャットボットが作成可能です。
初めからすべて自社開発するかAPIを用いて開発するか2通りの方法があります。
APIとは、既存のソフトウェアと自社で開発したソフトや機能を繋げる窓口のようなプログラムです。ある程度用意されたプログラムに肉付けする形で開発するため、初めからすべて開発するよりも時間や手間がかかりません。
例えば「LINE Bot Designer」というAPIをダウンロードして開発すれば、見た目がLINEの操作画面になるチャットボットが作成できます。
すべて自社開発する場合は、既存のソフトやAPIを用いないため完全にオリジナルのチャットボットが作成できます。高度な開発スキルが必要ですが、導入後は月額使用料がかからないうえ自由にカスタマイズできます。
一方で企業やサービス内で頻繁に利用しているソフトのAPIを用いて開発できれば、チャットボットと利用しているソフトとの連携がスムーズになります。ただしAPIを用いる場合も多少の開発スキルが必要です。
チャットボットに組み込むためのFAQデータを集めます。過不足なくまとめれば、開発にかかる期間と人員が把握できるでしょう。
集める方法は、作成ツールを活用する場合と同様に過去のお問い合わせ履歴や既存の「よくあるお問い合わせ」を参照しましょう。
顧客が操作する画面と運用者が操作する画面のデザインを決めます。
決めたデザインをもとに開発が進められるため、顧客や運用者が使いやすいデザインを考えます。FAQデータをもとにシナリオを組み立てる作業も並行して行うといいでしょう。
顧客と運用者には見えない、システムの裏側の動作をプログラムするためには設計図が必要です。
設計図には主に以下の内容を盛り込みます。
● チャットボット内部の動作
● チャットボットに取り入れる機能
● FAQデータをもとに作成したシナリオ
プログラミングを担当する従業員が作業を行いやすいよう設計図を作成します。
内部設計で作成された設計図をもとにプログラムを作成します。プログラムを作成するには、必要なプログラミング言語に特化したスキルが必要です。
定めた機能や結果(要件定義)を満たしているか、動作を少しずつ確認します。
満たしていない場合に修正しやすいよう単体テストから順番に行います。テストがすべて完了し異常がないと判断できれば、現場で運用を開始します。チャットボットの性能を上げるため、運用後も随時調整が必要です。
費用と時間をかけて導入しても、有効活用できなければ意味がありません。抑えるべきポイントを理解し実践すれば、有効活用しやすくなります。
以下の内容をチャットボットの運営者および顧客対応部門の従業員に共有します。
・ チャットボットを導入した目的
・ チャットボットを導入して解決したい課題
チャットボットの作成に携わった人だけではなく、運営者や顧客対応部門の従業員にも共有することが大切です。なぜならチャットボットと従業員それぞれの役割が明確化され、従業員の負担が軽減され人件費削減につながるためです。
自社にとって扱いやすい作成ツールを導入しているかがカギになります。
欲しい機能が搭載され提供企業からのサポートが十分に受けられることが望ましいです。また運用時におけるシナリオの修正やデータ分析を補助してくれる機能がついていればなおいいでしょう。
提供企業からのサポート体制が万全なら、導入や運用のアドバイスがもらえる場合があるため安心です。体験版を提供している作成ツールがあれば、なるべく利用して使用感を確かめることをおすすめします。
導入方法に限らず運用時は繰り返し調整が必要です。
自社のシステムやサービス内容が変わるたびにチャットボットが返す回答に変更を加え、寄せられたお問い合わせを参考に修正が必要なケースもあります。
調整と修正を繰り返し、顧客の要望に近づければ精度が上がったといえます。チャットボットの精度が上がれば、従業員の対応件数が減り顧客満足度の向上につながります。
チャットボットには複数の種類と導入方法があります。それぞれの得手不得手を把握し、自社に最適な方法でチャットボットを導入しましょう。
作成ツールの活用も自社開発も、チャットボットに組み込むための教師データ(FAQデータ)をどれだけ作成・分析・最適化するかが重要です。
チャットボットの導入を検討するなら、運用を見据えて既存のFAQデータを見直すことをおすすめします。
また、当メディア・CXジャーナルを運営するPKSHA Communicationでも、国内シェアNo.1のAIチャットボット「PKSHA Chatbot」を開発・提供しています。
もしご興味をお持ちいただけましたら、下記の製品紹介ページよりご確認いただければと思います。
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