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新人教育や新たに異動してきたスタッフに対するスタートアップガイドとして、業務マニュアルを作成している企業や部署がほとんどではないでしょうか。業務マニュアルがあれば、作業手順を確認したり、ナレッジ共有したりしやすく、新しいスタッフであっても業務内容や操作内容を早く覚えやすいです。
本記事では、マニュアル作成ツールが必要な理由や選び方、おすすめツールをご紹介します。
マニュアルを作成するとき、既存のOfficeソフトなどを流用せず専用のマニュアル作成ツールを利用すると、以下のようなさまざまなメリットがあります。
マニュアル作成ツールには専用のテンプレートやフォーマットが用意されています。そのため、テンプレートを自ら探してきたり、一から作ったりする必要がありません。マニュアル作成ツール内に用意されているテンプレートやフォーマットを使い、すぐに作成し始められます。
また、ツールを使うことによって組織内でもマニュアルの体裁やデザインに統一性が高くなり、誰が作っても見やすいマニュアルが作れるようになります。
テンプレートやフォーマットは、マニュアル作成業務の大幅な工数削減に繋がります。
昨今では、動画マニュアルに特化したツールも増えています。
動画撮影・編集の専門知識やスキルがなくても、動画を作成してマニュアルに組み込むことができるようにます。
ツールによっては、撮影と同時にシステムが自動で音声認識を行い、字幕を作ったり翻訳したりしてくれるツールもあります。こうしたマニュアル作成ツールの機能を使えば、補足の説明文を加えることもできますし、母語の違う従業員にもわかりやすいマニュアルを作成できるでしょう。
マニュアル作成ツールの導入によって、マニュアルの作成ひいてはナレッジの共有が楽になると、組織内でのナレッジマネジメントが浸透に繋がります。
これまで人づてのコミュニケーションによって引き継ぎ・共有されていたような業務ナレッジが、マニュアルという形で組織に蓄積されていきます。
業務ノウハウやナレッジが蓄積されていけば、作業の精度を高められるほか、業務の属人化を防いで案件を共有しやすくなったり、新人が育ちやすくなったりするメリットもあります。また、情報管理機能に優れたマニュアル作成ツールなら、必要な情報によりアクセスしやすくなるので、ナレッジやノウハウの共有が加速し、さらに新たなマニュアルが作成されやすくなるという良い循環にも繋がるでしょう。
マニュアルは作成して終わりではなく、ユーザーからのアクセス性を担保し、改定や更新の記録をしっかりと管理できることが重要です。
マニュアル作成ツールでは管理を一元化できるため、作成したマニュアルがバラバラに保管されることも、更新されない古いマニュアルを使われ続けてしまうことを防げます。
その結果、業務品質が均一化ひいては向上することに繋がります。
では、実際にマニュアル作成ツールを選ぶとき、どんなことを基準にすれば良いのでしょうか?
操作性と運用性という2つのポイントに着目しましょう。
作成したいマニュアルに合わせたテンプレート、フォーマット、基本レイアウトなどがあれば、項目に従って入力していくだけで簡単にマニュアルを作成できます。
もちろん、レイアウトやデザインが崩れることもありませんので、更新の際に画像や文章を差し替えるときも簡単です。このように操作が単純であればあるほど、人件費的なコストの削減にも、リソースの最適化にも繋がります。
画面キャプチャや説明文の自動取得機能、音声認識による自動字幕生成や翻訳機能など、マニュアル作成時によく使う、あるいは使うことが予想される機能があれば、ぜひ優先的に選びましょう。
●テンプレート機能
●画面キャプチャや説明文の自動取得機能
●音声認識による自動の字幕生成機能
検索機能、QRコード出力機能、ナビゲーション機能など、活用を促す機能がマニュアル作成ツールにあらかじめ搭載されているかどうかで検討するのも良いでしょう。
ツールによっては、動画をそのままトレーニングコンテンツにできる「テスト機能」などがついたものもあります。作成したマニュアルを業務の中でどう運用するのか、よく考慮してからマニュアル作成ツールを選びましょう。
●タイトルや設定タグの検索機能
●QRコード出力機能
●操作方法のナビゲーション機能
上記のような観点から、おすすめのマニュアル作成ツールを4つご紹介します。それぞれのツールに特徴がありますので、作成したいマニュアルの形式や運用方法から選びましょう。
※公式ページ
機械装置やIT製品で不可欠となる、操作マニュアルや取扱説明書の作成に向いているマニュアル作成ツールが「PMX」です。
DTPやWordによるマニュアル作成では対応できないような、HTMLベースの電子マニュアルとPDFデータの両方を同時に出力する、「ワンソース・マルチユース機能」があります。
また、コンピュータ支援翻訳ツールと連携することで、マニュアルの多言語化にも対応しています。
管理が大変な多言語マニュアルの言語ごとの改訂情報や、部品化された共通コンテンツ、バージョン情報などは全てXMLデータベースエンジンで管理されます。
複数名による分担作業も「ワークフロー機能」で進めることができるため、テレワーク環境で制作を進行するのに適したマニュアル作成ツールといえます。
※公式ページ
「iTutor」は、PowerPoint感覚で直感的に編集できるマニュアル作成ソフトです。マニュアル化したい作業を一度実際に操作するだけでマニュアルを作れるので、工数や時間の大幅削減につながります。動画作成も別で撮影した動画の取り込み、PCのインカメラでの撮影、入力した文字を自動音声化するなどさまざまな機能が備えられています。
作成したマニュアルは社員教育のコンテンツとして、e-ラーニング化することもできます。また、業務手順をすべて自動で記録することは、近年デスクワークの自動化として注目を集めるRPAのシナリオ作成サポートにも利用できます。ナレッジ蓄積の観点からも、その運用・活用の観点からもシンプルかつわかりやすいマニュアル作成ツールです。
※公式ページ
PCだけでなくスマートフォンやタブレットからも作成・修正できる「Teachme Biz」なら、いつでも誰でもどこでも簡単にマニュアルを作成したり、最新情報にアップデートしたりできます。閲覧もPC・スマホ・タブレットどこからでも可能なので、作ったマニュアルを活用できない状況もありません。もちろんテンプレートが用意されていますので、レイアウトや技術面でも悩まず簡単にマニュアルを作成できます。
マニュアルはクラウド保存ですが、アカウントごとに閲覧・編集権限を持つフォルダを分けられますので、セキュリティ面でも安心です。さらに、従業員教育のための「トレーニング機能」が備わっていて、従業員ごとに最適なトレーニングコースを組み立てることもできます。マニュアルの作成から運用まで、アクセスしやすいマニュアル作成ツールです。
※公式ページ
「COCOMITE」は、印刷機や複合機などを展開するコニカミノルタが提供するマニュアル作成ツールです。基本レイアウトに合わせて入力していくだけで、画像や動画はもちろん、PDFやWord・Excel・PowerPointなどさまざまなファイルが入った形式のマニュアルを作成・更新できます。スマホやタブレットなど、マルチデバイスにも対応していて、いつでもどこでも作業ができます。
セキュリティ面でもフォルダごとのアクセス管理、権限の自由な変更などが行えて情報の適切な管理と運用が可能です。マニュアルは公開するごとにバージョンが記録され、作成したマニュアルは紙やPDFに出力することもできますので、紙での共有しかできない場面にもしっかり対応しています。
マニュアルの作成がメインの目的ではなく、社内のナレッジ集約・一元管理が目的という場合、“社内FAQシステム”を利用するという方法もあります。
FAQは、Q&A(質問と回答)というシンプルな形式で誰でも扱いやすく、多くの人は日常的にGoogleやYahoo!等でブラウザ検索も体験しているため、社内メンバーにとっても親しみやすいでしょう。
また、一方的にナレッジをコンテンツ化するマニュアルと比べて、
FAQでは、
●質問者:「分からないことをキーワードで検索する」
●回答者:「検索キーワード(質問)に対して、回答文を用意する」
という双方のコミュニケーションが型になるため、日常業務の中で気軽にコンテンツ作成しやすい点は特徴の一つです。
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