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FAQは、英語のFrequently Asked Questionsの頭文字を取ったもので、日本語では「よくある質問」という呼び名が一般的です。
FAQはWebサイトに常設するケースが多く、顧客がFAQを使って自らの疑問を解決することができます。「社内FAQ」は、顧客向けFAQの社内版で、総務・経理・情報システムといった管理部門に寄せられる従業員からの「よくある質問」に対してあらかじめ回答を用意することで、従業員が疑問を自己解決することができます。
そこで今回は、社内FAQの目的やメリット、作り方まで徹底解説します。
社内システムに情報を蓄積し、検索機能を使って疑問を解決するのも一つの方法ですが、FAQツールのクラウドサービスを活用すれば目的の回答が探しやすくなり、より効率的に運用することができます。記事の最後におすすめのFAQツールを紹介していますので、ぜひ確認してください。
社内FAQは、社内の各部署でメリットがあるのはもちろん、「社外」への対応にも役立ちます。まずは、社内FAQを設置する目的を説明します。
社内FAQは、社内での部署を跨ぐ問い合わせの効率化に直結します。総務・経理・情報システムなどの管理部門には日々、申請方法や福利厚生の確認、パソコンの操作方法、システムトラブルといったさまざまな問い合わせが寄せられます。週に何度も別の従業員から似たような問い合わせを受けるケースもあるでしょう。
社内FAQを活用すれば従業員が自己解決できる課題が増えるため、社内からの問い合わせ対応が効率化され、担当部署の負担を削減できます。
社内FAQをコールセンターやヘルプデスクのオペレーター支援に利用すれば、オペレーター業務の負担軽減や品質向上につながります。
顧客から寄せられる「よくある質問」と、その回答を社内FAQ内に用意しておき、どのオペレーターも顧客に対して同じ回答ができる状態にすることで、顧客対応品質の均等化が図れ、クレームやトラブル防止につながります。
また、オペレーターの知見を蓄積・共有し、新人教育の手間やオペレーターの精神的な負担を減らすことも可能です。離職率の低下や定着率の向上といった効果も期待できるでしょう。
社内FAQは、短期的にも長期的にも、自社にさまざまなメリットをもたらします。具体的な例を見ていきましょう。
社内FAQを活用すれば従業員同士の問い合わせによるやり取りが減り、担当者の負担軽減につながります。
従業員が担当部署に電話やメールをする前に社内FAQを検索するようになれば、各人で解決できるケースが増え、特に総務や経理といった管理部門やITシステム部門などの間接部門で大きな効果が得られるでしょう。問い合わせをする側の従業員も回答を待つ必要がなくなるため、効率的に時間を使うことができます。
コールセンターやヘルプデスクといった顧客対応の部門で社内FAQを活用すれば、顧客対応のクオリティが安定し、満足度や企業の評価が向上するといった効果が期待できます。
また、その場で顧客からの質問に回答しなければならないコールセンターやヘルプデスクでは、マニュアルを読むよりも社内FAQにキーワードを入力して情報を検索した方が、素早く正確に対応できます。
社内からの問い合わせのなかでも、システムエラーや「ネットが急につながらなくなった」といったIT関連のトラブルは業務への影響が大きいため、迅速な解決が求められます。
社内FAQを活用すれば、従業員がその場で課題を自己解決できるため、回答を待つ時間や、やりとりの工数を省けます。IT部門の従業員も、間接作業の時間や労力を削減し、本業に注力できる時間が増加するでしょう。初歩的な質問を受けるケースも少なくなります。
また、残業時間帯や休日出勤時など担当者が不在の時間帯であっても、社内FAQがあれば解決できる課題が増えます。
社内ナレッジを社内FAQに集約して蓄積することにより、企業の財産になります。属人的になりがちな営業ノウハウや経験なども取集可能で、教育時のマニュアルとしてそのまま活用できます。
「社内における情報共有の重要性│おすすめツールと運用の注意点・対策」については、以下の記事で詳しく解説しています。
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社内FAQ作成は情報収集から始めるのが鉄則です。社内で「誰が」、「どのような問題を抱えているのか」を可視化し、優先順位を付けてまとめていきましょう。
まずは、実際に社内で発生している質問を各部署にヒアリングします。社内FAQは、従業員が抱えている課題を自己解決するのが目的です。実務ベースのFAQにすることで実用性を高められるでしょう。対象の部署や問い合わせ内容をグルーピングするとさらに運用が楽になります。
社内から集めたコンテンツ候補を精査し、FAQの形に整えます。その際、緊急性や優先度の高いものから並べるのがポイントです。実際に社内FAQの運用を開始する際には、トップページに「よくある質問」として、緊急性や優先度の高い課題をピックアップしておくと利便性が向上します。最新情報を表示する欄も設けておくと従業員の目に留まりやすくなります。
社内FAQができあがったら、内容に問題がないかどうか各部署にチェックを依頼しましょう。FAQの一覧表を作成し、チェック項目をまとめておくと効率的です。
社内FAQは、作成した後の運用方法がもっとも大切です。誰もが使いやすいシステムになるよう、運用後の改善プランまで考えておくと失敗を防ぐことができます。
社内FAQは、導入後に更新することを前提として設置します。FAQを実際に使用している部署が内容を簡単に更新できるようにしておくと、現場のニーズに即した使いやすいFAQになります。各部署で社内FAQの管理責任者を設定すれば、更新が業務として成り立ちやすくなるでしょう。
社内からの問い合わせ内容は常に変化します。そのため、社内FAQも定期的な見直しが必要です。追加・変更された情報があれば更新して常に最新の情報にしましょう。
「社内FAQを探せば最新の情報がある」という認識が従業員の間で広がれば、社内FAQの使用が定着しやすくなります。使いにくい部分がないかどうか各部署にヒアリングも行うと良いでしょう。
また、社内に新しいシステムを導入した直後や、新入社員が増える4月頃は、管理部門への問い合わせも増えます。想定される問い合わせ内容をあらかじめ社内FAQに反映しておき、社内に通知しましょう。
従業員の時間は有限です。社内からの問い合わせ負担を軽減し、それぞれの従業員が本来やるべき業務に集中できれば、社内全体の作業効率が向上します。さらに、従業員の負担が減ることによって、仕事へのモチベーションアップや離職率の低下といった効果も期待できるでしょう。
社内FAQは、導入後、「いかに活用するか」が大切です。誰でも直感的に使用でき、内容のカスタマイズが簡単に行えるシステムであれば、社内のお役立ちツールとして定着します。
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※出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所「マーテック市場の現状と展望2022年度版 クラウド型CRM市場編(第6版)」