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アクティブサポートとは?メリットや実施手順、注意点 - CXジャーナル

作成者: CXジャーナル編集部|May 25, 2022 3:00:00 PM

スマートフォンでインターネット機能やSNSを利用すれば、どこにいても瞬時に情報が得られるようになりました。そのため、情報収集する手段として幅広い世代の顧客がSNSを利用しています。

昨今では、SNSを通して能動的にカスタマーサポートを実施する「アクティブサポート」が注目を集め始めてきました。

「アクティブサポート」は主にSNS上で顧客に対し直接サポートするため、顧客との接点が増えます。上手に活用すれば顧客満足度が向上し、リピーターや新規顧客の増加に繋がりやすくなります。

本記事では、「アクティブサポート」の概要から、実施までの手順や注意点について説明します。

アクティブサポートとは

アクティブサポートとは、顕在顧客や潜在顧客に対し能動的にサポートすることです。

一般的なのは、SNS上などで自社サービスに関するメッセージを見つけた場合に、そのメッセージに対してリアクションをすることです。 SNSなどの返信機能を利用して情報発信者に対して返信します。

これまでの顧客とのつながりは企業への直接の「問い合わせ」が一般的でした。しかしSNSでリアクションを返すことで、顧客に対して「企業から返信が来た」という意外性を与えられます。

意外性を与えると、新規の顧客獲得や顧客満足度向上に繋がりやすくなります。

アクティブサポートを行うメリット

アクティブサポートには、顧客との接点が増えるため企業が提供している商品・サービスの評価が分りやすいというメリットがあります。
評価がわかれば、商品・サービスの適切な改善に役立てられます。

(1) 顧客離れを防ぐ

アクティブサポートを継続して行うと、顧客の不満や本音を把握しやすくなります。さらに企業側から能動的に対応することで、問い合わせを積極的に行わない顧客「サイレントカスタマー」を減らせます。また、

不満点がわからない → 問題が解決されない → 顧客が離れる

という悪循環を緩和できるでしょう。

(2) 顧客満足度の向上に繋がる

アクティブサポートを行うと、顧客が抱える疑問や不安に対し迅速に対応できます。

すると顧客は、「自身のことを気にかけてくれている」という安心感を得ることができます。そのためメッセージを発信した顧客に対し解決策や改善策を早めに提案すれば、サービスを継続利用してくれる可能性が高くなります。

顧客にとっても、企業へ直接「問い合わせ」をする手間が省けるというメリットがあります。「問い合わせ」の専用フォームにメッセージを打ち込んだり電話をかけたりする行為は意外にも手間がかかるものです。

問い合わせのアクションを起こさなくても問題が解決されれば、手間が省けた顧客からの評価は上がり、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

(3) 炎上リスクを低減できる

アクティブサポートなら、不満や問題がネット上で拡散されマイナスイメージが根付く前に問題を解決しやすくなります。

一度拡散したマイナスイメージや悪評は払拭するのが難しいですが、この拡散力はチャンスでもあります。

SNS上のやりとりは多くの人の目に留まるため、自社のサポート力を宣伝できるうえサービスを改善したことを多くの人に知ってもらえます。

(4) 新規顧客の獲得につながる

潜在顧客のニーズを把握しやすくなります。

SNS上で発信された情報を収集すれば潜在顧客を見つけて積極的に商品の提案ができます。さらに、サービスに効果的な付加価値をつけることもできます。

アクティブサポートを実施する手順

実際にアクティブサポートを実施する手順を紹介します。SNSは無料でアカウントが作成できるため、初期投資がかからず手軽に始められます。

(1) アクティブサポートを行う体制を整える

アクティブサポートの負担を軽減する体制を構築しましょう。

返信するのは疑問や不満に対してのみか、感謝や好評も含むのかなど企業として返信する基準を定めることをおすすめします。

また顧客が抱える不満や疑問を見つけたときに、社内のなかで報告し連携して改善に努めるまでのフローを定めておくと、対応がスムーズになるでしょう。そして定めたフローや体制は、従業員全体で統一感のある対応が施せるよう、従業員同士で共有します。

(2) SNSで企業の「公式アカウント」を作成する

アクティブサポートを行うには、SNS上で情報発信および返信するためのアカウント作成が必要です。アカウントを作成したあとは、注目しフォローしてくれるよう、非公式ではない企業のオフィシャルアカウントであることを明示することが重要です。

(3) SNSで検索するキーワードを定める

あらかじめ検索するキーワードを定めておけば、同じ不満を抱えている顧客が見つけやすくなります。また検索するキーワードをリスト化すれば、そのキーワードを順番に検索すればいいためアクティブサポートの効率向上につながります。

定める検索キーワードは、企業名やサービス名などがおすすめです。

(4) 企業やサービスに関する内容を見つけたらリアクションする

代表的なSNSの一つ「Twitter」でアクティブサポートを行う場合は、「リプライ」機能で返信し「リツイート」機能で拡散しましょう。

「リプライ」機能とは、発信された誰かのメッセージに対して返信する機能のことです。また「リツイート」機能とは、誰かのメッセージを企業または自身とTwitter上でつながっている人全員に拡散する機能のことです。

この2つの機能においてはよく混同されがちですが、よく利用するため覚えておきましょう。

(5) 有効なメッセージを収集し管理する

企業へ寄せられたメッセージは収集し管理しましょう。有効活用すればサービス改善に役立ち、サービスに付加価値をつけるための参考材料としても利用できます。

アクティブサポートを行う注意点

アクティブサポートは潜在顧客を含めた顧客との接点が多くなります。そのため企業として注意しなければならない点があります。

(1) 口調やマナーに気をつける

SNS上で発言するときは、口調やインターネットマナーに対し十分に気を配りましょう。

適切でない口調やマナーは、顧客に不快感を与えます。また不快感を与えるだけでなく企業へのマイナスイメージの定着や顧客離れにもつながります。SNSにはやり取りの履歴が残るため、定着したマイナスイメージを覆すのは難しいです。

顔文字や絵文字の使い方や使いどきは、特に注意が必要です。

(2) テンプレートを用いた対応は避ける

「テンプレート」を用いた対応は、できるだけ避けましょう。

手抜き対応と思われ、顧客離れにつながるおそれがあります。テンプレート対応では以下のように会話のやりとりが噛み合わないことがあります。

【噛み合わない例】
顧客「自身のアカウント情報はどこで見れば良いんだろう?ちょっとわかりにくい」

自社公式アカウント「この度は当サービスをご利用いただきありがとうございます。今後もサービス向上に努めてまいりますのでよろしくお願いいたします」

(3) 顧客との距離感を保つ

顧客との距離感にも配慮が必要です。
というのもなかには、接触されたくない人もいるためです。相手から希望がない限り、返信は一つに留めたほうがいいでしょう。また、顧客の知り合い同士の会話へ無理矢理入らないのがマナーです。

顧客の「独り言」のような内容に対して返信するのが望ましいです。

SNSにおける企業へのメッセージを活用し、サービスの改善に努めましょう

SNSは、顧客との接点を増やせる非常に便利なツールです。
顧客が発信したメッセージから評価がわかるため、商品・サービスの改善に役立てられます。また不満や不安を抱えた顧客に対し、積極的に解決策を提案し解決へ導くこともできます。

しかし顧客との接点が多い分、不適切な対応があった場合は履歴が残りマイナスイメージの払拭が難しいため、利用には十分に気をつけなければなりません。

SNSにおけるマナー遵守の徹底や顧客との距離感に配慮するなど、適切に利用し顧客満足度の向上に努めましょう。

▼アクティブサポートを実践している企業さまの取材記事