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【サポートの現場から】Vol.7 PGF生命 - CXジャーナル

作成者: Admin|Aug 26, 2018 3:00:00 PM
企業を支える「サポート部門」。サポートに携わっている人たちは普段どんな業務をしているのか、どんな想いで働いているのか、OKBIZ.ブログ編集部は知りたい!そして、皆さんにも知って欲しい!という勝手な使命感で、各企業へ突撃取材&インタビューをしています。

企業情報

会社名 PGF生命(プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社)
営業開始 2009年6月1日
従業員数 875名 ※2018年3月31日現在
事業内容 金融機関・代理店を販売チャネルとする生命保険会社
ホームページ http://www.pgf-life.co.jp/

– PGF生命さんこんにちは!今回は社内サポートを担当している皆さんにお越しいただきました。さっそくですが、自己紹介をお願いします!

当社は、世界最大級の金融サービス機関プルデンシャル・ファイナンシャルの一員です。銀行や証券会社など主に金融機関を通じて生命保険を販売しており、お客さまに経済的な保障と心の平和を得ていただくことをミッションとしています。当社の社内FAQである「ナレッジバンク」は、提携金融機関への生命保険に関するさまざまな営業支援活動を行うホールセラー、提携金融機関および当社ホールセラーからの各種問い合わせへの回答や販売のサポートを行うホールセラーデスクのオペレーター、お客様のサポートを行うコールセンターのオペレーターの3部署がメインのユーザーです。さまざまな準備を経て、2か月前にリリースしました。現在は、契約管理、営業サポート、商品・数理の社員にも開放し、約500人以上が利用しています。

– 500人!しかも色々な部署の方が利用しているんですね。そもそも社内FAQを作ったきっかけって?

ホールセラー歴の浅いメンバーが増えてきたため「サポートツールが必須だよね」という声が社内で高まりました。そこで、ホールセラーとホールセラーデスクのオペレーターの自己解決を最大のミッションとし、「早い!見やすい!見つけやすい!」をコンセプトとしたFAQを立ち上げようという話になったんです。導入にあたり、リリース後も継続的に活用いただけるようフェーズを3つ(フェーズ1:立ち上げ期、フェーズ2:認知獲得&運用安定化期、フェーズ3:分析改善期)に分けました。現在はフェーズ1の運用をしているところです。FAQマネジメントは、ホールセラーデスクとコールセンターから5名兼任で行っています。

PGF生命 担当者の1日

時間 FAQ担当者(ホールセラーデスク、コールセンターとの兼任)
9:00~10:00 ・アンケートチェック
・各種レポートの取得
・新人研修でのFAQ活用
10:00~12:00 ・FAQの更新、新規作成
・アンケート内容の詳細確認
13:00~17:30 ・FAQの承認依頼
・ステータスチェック
・台帳管理
・情報共有
・アンケート回答者へのフィードバックメール送信
・Newsの作成、配信

– みなさん兼任なんですね。大変そう…。

上記は「FAQマネジメント担当の日」のスケジュールです。各自ホールセラーデスクやオペレーターの仕事があるので、シフトを組んで行っています。上記のような日でも繁忙期の場合は電話応対できるような体制を取っていて、その辺はフレキシブルに動いていますね。兼任は大変だと思われがちですが、逆に自らFAQを利用する機会があるので「このFAQでは分かりにくいかも・・・」と感じることもあるんです。そういった気づきを得るという意味では、兼任でよかったと思いますね。

– 前向きー!ちなみにスケジュールに「新人研修でのFAQ活用」ってあるんですが、具体的にどういったことをしているんですか?

立ち上げに合わせてFAQの操作マニュアルと動画を作ったので、新人研修時に見せるようにしています。ホールセラーに関しては、iPadでもマニュアルと動画が見られるようにしました。マニュアルにはTOP画面の見方と内容、カテゴリー構成、検索の仕方だったり、「代理店ごとにマークをつけて視認性をアップしているから見やすいですよ」といった案内や活用にあたっての注意点なども記載しました。動画に関しては「こんなお困りごとはありませんか?ナレッジバンクで解決できますよ」という切り口のプロモーション動画を作りました。

– えっ!社内FAQのプロモーション動画ですか?

そうです。FAQ活用の全体的な流れを動画で観てもらい「実際皆さんが使う場面を想定しましょう」といった感じで、具体的なシーンを何個かピックアップして「では答えを探してみましょう!」と実際のFAQを使って自己解決を体感してもらうような研修をしています。しかも、動画の最後にはシステム構築に携わったメンバー全員の集合シーンを入れているんです。「これだけの人が、皆さんのサポートのために力を尽くしてリリースしたシステムです(だからフル活用してね)」みたいな願いも込めて(笑)

さらに「ナレッジバンクニュース」を発行し、活用例やアンケート状況、活用してくれる利用者のコメントなどを紹介しています。

– 啓蒙活動がすごい!利用者の反応はどうですか?

ホールセラーやオペレーターから「すごくいいです!」「活用しています!」という声をもらうとすごく嬉しいです。いろんな準備をしながら約1年かけて導入した甲斐がありました。「ナレッジバンク」という名称も社内アンケートを実施し決定したものなので、「ナレッジバンク見てますよ」「ナレッジバンク便利です」という感じで慣れ親しんでもらっているのも感じますね。

– 「ナレッジバンク」という名称も、社内アンケートで決定したんですね!

はい、プロモーションの一貫で実施しました。80件ぐらい候補があって、絞り込んだものをユーザーになりうるホールセラーやオペレーターの方に社内アンケートをとって得票が多かったものが「ナレッジバンク」でした。

– 利用者を巻き込む取り組みもいいですね。「あ、あの時投票したサイトだ!」って、覚えてもらいやすいですもんね。FAQのアンケートも取られているとのことですが、参考にしていますか?

アンケートに答えてくれる社員はとても大事なユーザーです。アンケートはFAQシステムから毎日ダウンロードして、緊急性があるかチェックをしながら、同時に週次のミーティングでアンケートに対してどのような対応をするかを判断し、アンケートをくれた方にはその結果をフィードバックするようにしています。ありがたいことに、「改善したほうがよい」「解決できなかった」にチェックを入れてくれる方はみんなコメントをくれるので、改善とフィードバックがしやすいんです。

– り、理想的な運用!!一方的にVOCをとるのではなく、フィードバックしているってとこが本当に素晴らしい!

でもこの運用はアンケートが増えたら増えただけ回らなくなってくる可能性があるので、もう少しコンパクトにはしようかなと思っています。ただ、走り出しの安定するまでは、この活動というのは非常に大事なのかなと思っていて。負荷は大きいのですが、続けていきたいと思っています。

– いろんな部署の人が利用してると思いますが、コンテンツの中身や情報の出し分けなど、苦労した部分も多かったんじゃないですか?

そうですね、利用目的もみんな全く一緒ではないこともあって、どういったコンテンツを載せるのか、カテゴリをどうするのか、検討や協議、あと喧嘩しながら(笑)、この社内FAQはどうあるべきか、何を載せるべきか、かなり時間をかけました。
情報の出し分けですが、ホールセラーとホールセラーデスクのオペレーターはほぼ同じコンテンツを見ることができます。コールセンターは対象が一般のお客さまのため、別のカテゴリでコンテンツを管理しています。

– フェーズ2の動きも楽しみです!最後に、今後の展望を教えてください!

今はやはり、ユーザーの声をひろえるアンケートを大事にしています。アンケートの改善要望にできるだけ答えることで、それが社員の利用率アップにつながると思っています。以前に比べ、利便性とわかりやすさと見やすさが格段に向上していますので、社内で「この情報はナレッジバンクに載ってるよ」というような声がどんどん広がっていけばいいなと・・・

使わなければないものと同じだと思っているので、まずは使ってもらいたいと考えています。そのスタンスが、今の運用につながっていますね。動画など色々作っていますが、ナレッジバンクを使ってもらえるような施策はこれからもっと取り組んでいきたい。使ってもらえるための運用、かつ、運用をしながら改善していくというところは、こだわっていきたいなと思っています。

– 使われてなんぼ…おっしゃる通りです!今日はありがとうございました!!

OKBIZ.ブログでは【サポートの現場から】に登場いただける企業様を募集しております。ご興味がございましたら、こちらよりお気軽にご連絡ください。

今回はPGF生命さんに登場いただきました。 「社内FAQを立ち上げたけど全然見てもらえない…」こんな課題を持ってる方、多いのではないでしょうか?PGF生命さんの社内啓蒙の取り組みは非常に勉強になりました。使う側としての視点を持っているからこそ、こういったアイデアや運用が生まれるんですね~。社内でこのようなプロジェクトに携わっている方がいましたら、ぜひ本記事を共有してあげてください! リリースまでの準備が1年…一瞬長いかな?と思いましたが、リリース後の滑り出しを見れば、そんなことないのは明らかですね。準備期間の出来事だけで本1冊書けそう(笑) PGF生命のみなさん、ありがとうございました!