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去る2018年10月18日、19日に新宿NSビルで開催された「HDIアカデミー2018 in Japan」に参加してきました。今回も弊社はオフィシャルスポンサーとしてブースを出展。セッション講演、ディスカッション運営などもHDI-Japanさんと共に実施させていただきました。
2日間大盛況で、サポートに携わる様々な企業様との熱いコミュニケーションや意見交換が繰り広げられました。今回はその模様をレポートします。
HDIアカデミーとは、サポート業界世界最大のメンバー団体HDI(ヘルプデスク協会)、およびHDI-Japanが主催する、年に一回、毎年開催されるイベント。
2日間のアカデミーでは国際基調講演をはじめ、分科会場での30超のセッション/ワークショップ、パネルディスカッション、参加型のラウンドテーブルディスカッション、マーケティングセッションなどが催されます。
2018年のテーマは「Keep Calm and Optimize your Performance(おちついてパフォーマンスを最大にしよう)」でした。
2018年の国際基調講演はジュリームーア氏(JULIE L.MOHR)。ジュリームーア氏はリーダーシップ、ビジネス、ナレッジマネジメント、サービス管理、サービスレベル管理に関するトピックについて、世界中のカンファレンスで講演されており、HDIの殿堂にもなった方です。
講演では、様々なサービス、ビジネスで破壊的な変化が起きていると昨今の時流を説明。サポートサービスにおいても、大きな変化に適応していく重要性を説かれていました。また、それに連なる形で「KCS」の伝道師として企業におけるナレッジ活用の重要さを指摘されており、参加者からも大きく注目を浴びていました。
2018年は「KCS(※1)」が例年以上に取り上げられ、「KCS」をテーマにしたセッション講演が大変多かったのが印象的でした。HDIのイベントでは毎回開催される「ラウンドテーブル(※2)」でも、「KCS」をテーマにしたテーブル参加者が殺到。急遽テーブルを増やすほどでした。
※1 KCSとは?
※2 円卓ごとに設定されたテーマについて参加者が自由にディスカッションする場
ここでは、HDI-Japan代表 山下氏の講演の一部をご紹介します。
従来のナレッジエンジニアリングは重複した作業が至る所で存在しており、コールセンターの重複作業は60%もある。KCSを実践することでそれらの重複は効率化/改善されるが、下記のポイントを意識して取り組むことが重要だそうです。
・ナレッジは「必ず見ること」が必須
・一定の回数が見られたナレッジや、一定の編集がされたナレッジは公開(利用できるように)する
・全員がナレッジ作成担当者であることが、投資を最小にする
また、そもそもの「ナレッジ作成:投資」「ナレッジ利用:効果」を理解することもポイントだそうです。顧客とオペレータがナレッジを共創するKCSの世界では、KCSが浸透することによって簡単な一次窓口と専門的な二次窓口という構図自体が無くなります。山下氏は、AIやチャットボットの運用においてもKCSを踏まえた「顧客視点のコンテンツ」が必要であり、セルフサービスが効果的な運用フェーズになると最終的に「コミュニティサイト」によって顧客が直接ナレッジに参画する仕組みが有効になってくる、とも仰っていました。
KCS…なんだか奥深いですね(笑)。
2018年は、KCS元年?と思うほど、「KCS」押しが各社セッションから目立つアカデミーでした。とくに参加企業様の中から、「KCS」を実際にやっていて具体的な意見交換をしたいといった声も出てくるほどで、HDIアカデミーならびに「KCS」は今後も要注目だなと感じました。
HDIアカデミーへの参加は、HDIメンバーとして登録している企業の従業員に加え、一般の方々も参加登録料を支払うことで参加できます。また、HDIメンバーへの加入は、年度ごとのメンバー登録料を支払うことで可能になっています。
ご興味のある方は、HDI-Japanの公式ホームページをチェックしてみてください。
https://www.hdi-japan.com/