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企業と従業員にとって、テレワークのメリット・デメリットとは?12のポイントから徹底解説 - CXジャーナル

作成者: CXジャーナル編集部|Apr 22, 2021 3:00:00 PM

オフィスに出勤する必要がなく、時間や場所にとらわれない働き方として注目を集めているテレワーク。コロナ禍での社会情勢の変化もあり、さまざまな企業で急速に導入が進んでいます。
テレワークを導入することで、企業側と従業員側それぞれにどんなメリット・デメリットが考えられるのでしょうか。今回は、デメリットの解決策とともにご紹介します。

【企業側】テレワークのメリット・デメリット

テレワークを導入することで、企業側にはどんなメリットやデメリットが考えられるのでしょうか。

(1) 企業にとっての、5つのメリット

まずは、企業にとってのメリットから見ていきましょう。

①人材の確保、離職防止

テレワークの導入で時間や場所を自由に選んで働けるようになれば、優秀な人材確保や離職防止につながります。従業員が状況に合わせて効率よく働ける仕組みのため、優秀な人材が獲得しやすくなるでしょう。
ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるため、離職防止の効果も期待できます。

②デジタル化(DX)や業務改善の機会になる

テレワークでは、ビジネスチャットやWeb会議ツールなど、デジタルツールをいかに活用するかが業務効率化・生産性アップのカギとなります。
つまり、これまで紙をベースとしていた資料も自然にデジタル化が進むでしょう。アナログベースだった業務も、デジタルベースに変わることで改善のきっかけができるかもしれません。

③オフィスコストや通勤手当の削減になる

従業員の仕事場としてオフィスを用意する場合、一人ひとりに机と椅子を用意し、会議室・応接室・休憩室なども設置しなくてはなりません。
こうしたコストは当たり前のものとしてカウントされていますが、テレワークを導入すれば、フリーアドレス制と合わせてスペースを削減したり、照明や空調使用時間など光熱費を削減したりできます。
また、毎日の通勤が必要なくなれば、通勤手当を支給する必要もなくなるでしょう。

④非常事態時のBCP対策や、早期復旧が見込める

日頃からテレワークを実施し、オフィスに縛られない業務形態に慣れていれば、地震などの自然災害や感染症などのパンデミックといった非常事態におけるBCP対策になるでしょう。
実際に、2011年の東日本大震災のときでも、震災前からテレワークができる環境が整っていた企業では、なかった企業よりも業務を普段通り遂行しやすかったという日本テレワーク協会の調査があります。
自然災害の多い日本でテレワークに慣れておくことは、リスクマネジメントの一環としても重要といえるでしょう。

⑤先進企業として、ブランドイメージの向上に繋がる

さまざまなメリットがあるにも関わらず、実際にテレワークに取り組んでいる企業は日本全体の2割程度とされています。コロナ禍でテレワークが推進された後でも、その割合は25%前後にとどまりました。
つまり、先駆けてテレワークを導入することは、先進的な企業であるとしてブランドイメージの向上にも繋がるといえるでしょう。

(2) 企業にとっての、2つのデメリット

一方で、企業にとってどのようなデメリットがあると考えられるでしょうか。

①労務管理のシステム整備・変更が必要になる

テレワークでは、従業員がオフィス以外の場所で働くことが多くなるため、企業や管理者の目が行き届かなくなります。
厚生労働省からガイドラインとして、労働時間の管理は原則、パソコンの使用時間の記録など客観的に把握すべきと提示されていますが、こうしたシステム整備や変更が必要になるでしょう。
また、在宅勤務時に起きたトラブルに労働保険が適用されるかどうかなど、企業の労務管理体制そのものが問われることも考えられます。

②セキュリティのリテラシー向上やシステム整備が必要になる

ICT(情報通信技術)を活用したテレワークにおいては、セキュリティを社内ネットワークでなく、利用するリモートアクセスやクラウドに対して行わなくてはなりません。
社内ネットワークでは「インターネットに接続しなければ安心」という境界型のセキュリティを講じられましたが、テレワークでは常時インターネット接続が前提となります。
「全て信頼できない(ゼロトラスト)ことを前提として、全てのデバイスのトラフィックの検査やログの取得を行う」という ゼロトラスト・ネットワークの考え方を身につける必要があるでしょう。

【従業員側】テレワークのメリット・デメリット

次に、従業員側から見たテレワークのメリットとデメリットを考えてみましょう。

(1) 従業員にとっての、3つのメリット

従業員にとって、テレワークは以下のようなメリットがあると考えられます。

①プライベートの時間が増える

オフィスに出勤する場合、どうしても通勤時間はかかってしまいます。しかし、テレワークによって通勤時間がなくなれば、その分の時間や体力を家族や友人と過ごしたり、趣味にあてたりできるでしょう。
ワーク・ライフ・バランスが整うことで、従業員の心身の健康維持、企業の健康経営につながります。

②集中できる執務環境を作れる

テレワークでは、自分にとって集中しやすい環境を自身でつくることが可能になるため、業務効率や生産性アップにつながります。
オフィス内での業務と比べて、雑談的なコミュニケーションがかなり少なくなるので、より集中しやすいでしょう。
実際に、Web会議では対面での会議と比べて簡潔に済みやすく、1時間かかっていた会議が30分で済んだというケースもあるようです。

③居住エリアの自由度が増す

オフィスに出勤する場合、ある程度オフィスの場所に近い、または通いやすい場所を居住エリアとしなくてはなりません。しかし、テレワークならどこから仕事をしても自由なため、通いやすさよりも住みやすさを重視して居住エリアを選ぶことができます。
介護や育児で引越しを迫られる従業員でも、テレワークなら離職することなく仕事を続けられるでしょう。

(2) 従業員にとっての、2つのデメリット

一方、従業員にとっては以下のような点がデメリットとして考えられます。

①長時間労働になりやすい

時間外、休日、深夜などに業務に関する連絡や指示が来た場合、対応に追われてしまうことが考えられます。
スケジュール管理が自己責任となるテレワークでは、やろうと思えば何時間でも働けてしまいます。企業側から先んじて注意喚起を行い、長時間労働で従業員の健康が損なわれるのを防ぐ必要があるでしょう。

②運動不足になりやすい

在宅勤務を行う場合、全く外に出なくても仕事を行えてしまいます。外出の機会が大幅に減るため、運動不足に十分注意しなくてはなりません。
自宅で行える運動をしたり、意識的に散歩など外に出る機会を増やしたりして、健康維持に努めましょう。

テレワークの課題・デメリット、解決策は?


では、テレワークのデメリットに対してどんな解決策を講じればいいのでしょうか。
まず、「勤怠管理をテレワークに対応させる」「書類をペーパーレス化する」といったシステム変更は、クラウド型の業務効率化ツールを活用すれば解決できます。
セキュリティ等のリテラシー向上や業務ノウハウの共有に関しては、FAQシステムによるナレッジ共有が効率的です。
テレワークに伴うルールや導入している業務効率化ツールなどの使用方法を、社内ナレッジのデータベースとして管理・運用していきましょう。
長時間労働の防止には、タスク管理ツールを活用します。
各チーム内でスタッフの業務スケジュールおよび稼動状況を管理できれば、長時間労働を防げるでしょう。深夜や休日には、社内システムやツールなどにアクセスできないよう設定するのも効果的です。
テレワークを導入するうえで、業務効率化ツールの活用は必須です。ぜひ、下の記事を参考に業務効率化を進めましょう。
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まとめ:業務効率化・ナレッジ共有のツールを活用しよう

テレワークは企業の人材確保やブランドイメージアップ、コスト削減、従業員のワーク・ライフ・バランスの向上などさまざまなメリットがある一方で、システムの変更や労働時間管理の問題などいくつかの課題もあります。
業務効率化ツールやナレッジ共有を活用し、デメリットを軽減しながらテレワークを実践していきましょう。
テレワークにおける生産性の向上については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
ぜひご覧ください。