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【テレワーク時代】マネジメントの3大課題と、6つの対応方法とは - CXジャーナル

作成者: CXジャーナル編集部|Jun 6, 2021 3:00:00 PM

新型コロナウイルス感染症の対策として、日本でも多くの企業がテレワークを導入するようになりました。テレワークによって、時間や場所にとらわれない新しい働き方が広まる一方で、マネジメント職は、従業員の業務管理方法についてニューノーマルな方法を求められています。
本記事では、テレワークにおけるマネジメントの3大課題について、対応策も含めてご紹介します。

課題①:コミュニケーションの不足

テレワークにおいて、最も大きな課題とされるのはコミュニケーション不足の問題です。
オフィスで業務をおこなっていれば、執務スペースで顔を合わせたときや、リフレッシュスペースで休憩しているときなど、気軽にコミュニケーションをとることができます。しかし、テレワークでオンラインでのやりとりがメインとなると、具体的な用件が無い限り、チームメンバーや上司に連絡をとることに心理的障壁を感じてしまいがちです。
そうなると、マネージャーは現場で生じている課題に気づきづらくなってしまいます
コミュニケーション不足に起因する課題を解消したり未然に防ぐためには、以下のような業務ツールを活用した対応策が必要です。

対応策①:タスク管理ツールで業務状況を見える化

テレワークにおいてコミュニケーションの心理的障壁が高くなりやすいのは、相手が何をしているかわからない、相手の状況がわからないことが原因だと考えられます。
そのため、タスク管理ツールを活用して、案件や業務の進捗状況やその日のToDoを見える化できる仕組みが重要です。
従業員ごとのスケジュールと作業量を把握して個人のキャパシティを確認したり、作業量の偏りを調整したりするマネジメント業務もスムーズに行えます。自己管理が苦手な従業員がいたとしても、タスク管理ツールで進捗状況を逐一確認できれば、マネージャーが効果的にフォローできます。
また同時に、タスク管理ツールの登録情報をもとに従業員自身に業務予定を定期報告してもらうことで、従業員自身も業務の進め方や優先順位を整理するきっかけになるため、上司へ相談しやすくなります。

対応策②:Web会議では対面のコミュニケーションを

Web会議ツールを使う際には、できるだけ映像・ビデオをONにし、お互いの表情を確認できるようにしましょう。
周知の通り人間は視覚から得る情報の方が圧倒的に多いため、映像・ビデオをONにして対面でコミュニケーションをとった方が、話し相手の感情や体調の変化に気づきやすくなります。
また、相手の顔が見えると、「髪切りましたね!」「髭伸びましたね(笑)」といったいわゆるアイスブレイクの話にも入りやすいです。テキストコミュニケーションでは生まれ得ない会話ですよね。
こうした雑談は、上司・部下を問わずにメンタルのケアで非常に重要です。
ただそうは言っても、映像・ビデオをONにすることを社内・部内でルール化することは、場合によってはハラスメントの問題に抵触してしまうこともあると思います。
そうした場合は、せめて社員証等で撮影している顔写真をWeb会議ツールやチャットツールのアイコンとして設定しておくと、映像・ビデオがOFFであったとしても相手の表情をイメージしながらコミュニケーションをとることができるため有効的です。
※以下は参考イメージ(笑顔のアイコンだと良いですね)

対応策③:社内FAQを活用して、コミュニケーションコストを削減

テレワークでは、ちょっとした疑問点や不安感を解消するのにも大きなコミュニケーションコストがかかります。
そうした、社内のコミュニケーションコスト削減に活用されているのが「FAQシステム」です。
社内で起こりがちな、
「あの資料・データってどこにあるんだっけ?」
「申請フローと申請ファイルテンプレートってどこだっけ?」
「この業務の進め方・決まり事ってどこに集約されてる?」
「これ誰に相談すればいいんだっけ?」
「あのツールのアカウント情報ってどこにあるんだ?どうやって使ったらいいんだ?」
といったあらゆる疑問をコミュニケーションコストをかけずに解消し、従業員一人ひとりの自己解決を実現します。

 

課題②:稼動・労務の管理

テレワークにおいて、コミュニケーションの次に課題とされるのが稼動・労務管理の問題です。
テレワークでは業務時間の自由度が高くなりがちであり、個人の集中しやすい時間に働けるというのが大きなメリットの一つです。
ただ一方で、労務管理面からすると誰が稼働中で誰が休憩中なのかわかりにくく、また時間外での高稼働にも気づきにくいというデメリットの側面もあります。
これら課題の対対策としては、タスク管理ツールと勤怠管理システムの活用が挙げられます。

対応策①:稼動の負荷をタスク管理ツールでコントロール

タスク管理ツールは、前述の通り、従業員の業務状況や稼動量を見える化することができます。マネージャーはタスク管理ツール上の進捗を把握・管理しておくことでスタッフへの稼動負荷をコントロールすることができます。
また、主要なタスク管理ツールは下記2つでしょう。

「Backlog」株式会社ヌーラボ

公式ページ
Backlog はチームで働くすべての人が使えるプロジェクト管理ツールです。シンプルな操作性と親しみやすい見た目で、開発者だけでなく、デザイナー、マーケターなど、チームで働くすべてのひとが使えるのが特徴です。

「Trello」アトラシアン株式会社

公式ページ
Trelloは、すべての情報を付箋感覚でタスク管理できる「かんばんボード式」のタスク・プロジェクト管理ツールです。リスト、かんばんボード、カレンダー、ガントチャートなど、好きな方法で仕事を視覚化できます。アカウント作成も無料です。

対応策②:勤怠管理システムの活用

言わずもがなではありますが、勤怠管理システムの活用も必須です。
勤怠管理システムを使うことで、管理を効率化できるほか、申告の不正を防ぐことができます。出勤・退勤時刻の記録、有給休暇の申請・シフト管理など、勤怠管理を一元化できるのもシステム利用のメリットです。
勤怠管理システムはクラウド型が増えてきましたが、セキュリティポリシー考慮でオンプレミス型の提供も多いため、自社の体制やコストに合わせて選びましょう。
勤怠管理システムを使えば、Excelなどに手入力する場合と比べて入力ミスや転記ミスがなくなるので、正確に勤務時間を把握でき、管理上にヒューマンエラーも起きにくいです。
これにより人事担当者の集計作業が効率化でき、従業員の入力・申請作業も簡略化できます。また、保守サポートの契約があるシステムであれば、法改正があっても新法に合わせた変更にも、すぐに対応できることが多いです。

課題③:人事評価

テレワークの課題として、人事評価の方法も問題に挙げられることがあります。
これまでの人事評価は業務成績だけでなく、対面的な要素を含めて「人」そのものを見て判断することも多かったのですが、テレワークでは評価対象となるべき「人」を見られる機会がオフィス勤務と比べて大きく減ってしまうためです。
そこで、最後に人事評価制度や基準の見直しについてご紹介します。

対応策:評価基準の見直し

テレワークは対面業務でなくなったため、勤労態度を直接見て評価することができません。そのため、新しい働き方に応じた新しい人事評価制度、評価基準を模索する企業も増えてきました。
具体的には、
「時間的な貢献を重視するよりも結果を重視すべき」
「短期業績よりも、長期的な貢献で評価すべき」
と、テレワークで不透明になりやすい部分は避け、長期的な視点での評価を重視する動きが見られます。
とくに、テレワーク以前から在籍していた従業員とテレワーク後に入社した従業員で評価に差が出てしまうような項目があれば、今すぐにでも見直しが必要です。
テレワークでもオフィス勤務でも、差が出ないような評価制度や評価基準を作りましょう。

評価方法のばらつきを防ぐ

人事評価制度においては、人事担当者や管理者による評価方法の違いや差を減らすことも重要な課題です。
これはテレワークに限ったことではありませんが、テレワークではとくに、業務外の雑談・将来的なアイデアを話す機会の減少により、モチベーションや業務への取り組み方、思考方法などから従来どおりの評価ができなくなったと考えるマネージャーも多いです。
すると、ある上司は人事評価でメッセージやビデオ会議の発言、出勤時の働きぶりを見るけれど、別の上司は成果や実績だけを見る、というように人によって評価方法が全く異なってしまう可能性もあります。
評価基準を見直すだけでなく、その基準に基づいてしっかりと公平な評価がなされるような仕組みづくりも、見直し直後には必要になるでしょう。

まとめ:業務ツールを活用しながら、生産性の高いチームをつくろう

テレワークの広まりや多様な働き方の浸透によって、マネジメント業務とその方法も大きな変革期を迎えています。コミュニケーション不足を補ったり、稼動管理を徹底したり、場合によっては人事評価の方法を見直さなくてはなりません。
テレワーク下でも、さまざまな業務ツールを活用しながらマネジメントを行い、生産性の高い・強いチームづくりを推進しましょう。