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【2021年版】ナレッジ共有ツールおすすめ10選と失敗しないための選定ポイント - CXジャーナル

作成者: CXジャーナル編集部|Mar 21, 2021 3:00:00 PM

テレワークの一般化に伴い、社内でのナレッジ共有に注力する企業が急増しています。テレワーク環境下では、業務手順の確認やファイル等の探し物をする際、隣席の同僚に気軽に聞いたりすることができません。

また、ナレッジ共有の仕組みが整っていることは、組織力の強化業務の効率化に繋がります。

本記事では、ナレッジ共有が課題とされる理由からツールの活用メリット、タイプ別のおすすめツールと選定ポイントまでご紹介します。

「ナレッジ共有ツール」とは?「ナレッジマネジメントツール」と同じ?

ナレッジ関連のツールを情報収集する際、「ナレッジ共有ツール」、「ナレッジマネジメントツール」という2種類の表現を見聞きすることがあると思いますが、本質的にはどちらも同義と捉えられています。

ナレッジ共有ツールとは、企業が業務を通して獲得した知恵やノウハウ、共通ルールなどを社内の従業員(場合によっては社外のステークホルダー等も含む)へ効率的に情報共有するためのツールです。

ナレッジとして取り扱われる情報の範囲は広く、主要なものだと下記のようなものが挙げられます。 

●社内申請のルール
●社内ツールのアカウント情報
●社内ツール・システムの利用方法・操作手順
●業務マニュアル
●営業資料
●仕様書、設計書
●研修資料
●議事録
●事業方針や各部門のKPI

etc.

一方のナレッジマネジメントツールも、目的や役割の面で期待されるものはナレッジ共有ツールと同義になり、ナレッジとして取り扱われる情報も共通しています。

ナレッジマネジメントツールの場合、「SECI(セキ)モデル」に代表される、“個人が持つ暗黙知を集団や組織の形式知へと変換させる”というナレッジマネジメント理論の思想に基づいて呼称されているケースが多いです。

▼おすすめの関連記事(「SECIモデル」について解説しています)

 

ナレッジ共有ツールを活用する3つのメリット

ナレッジ共有ツールを導入・活用することで、次の3つのメリットを享受することができます。

(1) 属人化の防止・解消

ナレッジが共有されていくことで、業務の属人化を防止・解消することができます。
どこの企業でもいつの間にか生じてしまう業務の属人化ですが、業務がブラックボックス化しプロセスが見えづらくなってしまうため、品質管理が行き届かなくなる恐れがあります。

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(2) 業務の効率化

ナレッジ共有を通して社内の業務データベースを構築することができていれば、社内の必要情報やドキュメント等の探し物にかかる時間を短縮できるだけでなく、ロールモデルとされる従業員の業務ノウハウを他の従業員が流用・模倣することも容易になります。
その結果、各種業務の効率化に繋がります。

(3) 人材教育コスト・業務引き継ぎコストの削減

社内の部門異動や新入社員のジョインなど、人の入れ替わりは各社少なくとも半年か1年に一度はあると思います。
その際に毎度時間を取られてしまう業務の引き継ぎや新人の教育などは、ナレッジ共有ツール上でデータベースができていれば最低限のコストに抑えることが可能です。

企業でナレッジ共有が課題となっている3つの理由

ナレッジ共有ツールは前述のような分かりやすいメリットもあり導入が進んでいますが、いまだナレッジ共有の課題に直面しているという企業も少なくありません。なぜでしょうか?

その背景には主に下記3つの理由が挙げられます。

(1) ナレッジ共有のハードルが高い

ナレッジというのは、自分が情報を求める側のときには困り必要性を感じますが、ナレッジを共有する側で大きな動機がない場合がほとんどです。
むしろ、ナレッジとして社内に共有することを考えると、文章の書き方や構成、公開方法などで悩んでしまい躊躇うというケースも多いでしょう。

解決策の一つとして、だれでも簡単にコンテンツ作成・公開ができるナレッジ共有ツールの導入・活用は必要になるでしょう。

(2) ナレッジを共有する文化がない

次の段階ですが、コンテンツとして気軽にナレッジを作成・公開できるツールを導入したとしても、積極的にナレッジを共有する文化・雰囲気を醸成できないと、活性化は難しいでしょう。

そうした状況を避けるためには、ナレッジ共有ツールの導入までではなく、ツールの運用担当者をしっかりと定めてツールベンダーのカスタマーサクセス担当者に相談をしながら社内での活用を推進していくことが重要です。

(3) ナレッジ共有してくれる人を評価する仕組みがない

ナレッジ共有の重要性を社内で啓蒙するのと同時に、積極的にナレッジ共有してくれた従業員を評価する仕組みも重要です。時間を割いてナレッジ作成・公開をしたのに誰からも評価・フィードバックがない、となったら継続されません。

ナレッジ共有した貢献者への評価は、ツールの運用部署だけでなく全社的に評価する姿勢を見せていくことで前述の文化醸成にも繋がるでしょう。

方法としては、運用担当者がナレッジ投稿者ランキングのようなものを月次で報告したり、多く利用されているナレッジの作成者を社内の定例会で表彰するなどといったものが一般的です。

ナレッジ共有ツールの選定ポイント

ナレッジ共有ツールにはいくつかタイプがあり様々なベンダーが製品を展開していますが、全タイプに共通する3つの選定ポイントをご紹介します。

(1) 使いやすさ・操作性

何といってもまず重要な点は「使いやすさ・操作性」です。
ユーザーである従業員の方々に、日々の多忙な業務の中で利用してもらうことが前提条件になるため、「使いづらい、分かりづらい、面倒くさい」と思われてしまうと当然ツールの利用は進みません。
各社ツールで無料トライアルを実施しているかと思うので、トライアル期間内で自社ユーザーから使用感のフィードバックを事前にもらう等するといいいでしょう。

(2) ナレッジデータの運用性

これはナレッジ共有ツールのタイプによって粒度が異なる要素ですが、非常に重要な点です。
ナレッジ共有は、ツールの導入後に利用の活性化やナレッジ文化の醸成などを図っていく必要があるため、分析・改善するうえでの各種データの取得や、取得データを活用していくための運用性が非常に重要になります。
ツールの導入段階では見えない運用課題等もあるかと思うので、ひとまずはツールベンダー側の導入後サポートの内容・カスタマーサクセス担当者への相談機会など事前に確認しておくべきでしょう。

(3) セキュリティ

ナレッジ共有ツールでは、業務ノウハウや社内ルールなどから、事業方針・KPIなどの機密性の高い情報まで非常に幅広く蓄積されます。

そのため、セキュリティ対策が徹底しているツールかどうかという点はしっかりとチェックしなければいけません。

タイプ別のおすすめナレッジ共有ツール10選

ナレッジ共有ツールにはいくつかのタイプが存在します。
ここでは、ナレッジ共有の人気ソリューションである「社内FAQツール」や「社内wikiツール」などをはじめとした、おすすめの5タイプ10製品をご紹介します。

(1) 社内FAQツール

OKBIZ. for FAQ (オウケイビズ フォー エフエーキュー)

公式ページ
 「OKBIZ. for FAQ」は、従業員300名以上の中堅・エンタープライズ企業を対象とした、国内シェア10年連続No.1のFAQシステムです。

■特徴①: 週2回の個別相談室月4,5回の活用トレーニングなど、ナレッジマネジメントに精通したスタッフによる充実の運用サポート
■特徴②: メガバンク3行をはじめとした大手金融機関でも採用されている安心のセキュリティ
■特徴③: Microsoft Teams等の社内コミュニケーションツールとも連携が可能
■費用感: 月額10万円~
■無料トライアル: 14日間

(2) 社内wikiツール

① NotePM (ノートピーエム)


公式ページ
 「NotePM(ノートピーエム)」は、ウィキペディアのように、社員がさまざまな情報を書き込み蓄積し、編集・検索・閲覧することで、社内の知りたいことが簡単に確認できるツールです。

■特徴① : Webでかんたん文書作成
■特徴② : フォルダとタグで整理しやすい
■費用感 : 月額250,000円/1,000名
■無料トライアル : 30日間

② esa (エサ)


公式ページ
 「esa(エサ)」は、「情報を育てる」というコンセプトで開発されている、自律的な組織のための社内wikiツールです。

■特徴① : Markdownと豊富な入力補助
■特徴② : <書き途中>として共有でいるWIP機能
■費用感 : 月額500円/1名
■無料トライアル : 60日間

(3) 文書管理システム

① Docbase (ドックベース)


公式ページ
 「Docbase(ドックベース)」は、誰でも簡単にきれいなドキュメントを作成できる、情報共有用の文書管理システムです。

■特徴① : シンプルで無駄な機能がないエディタ
■特徴② : 国際標準規格のセキュリティ
■費用感 : 月額43,450円/200名以上
■無料トライアル : 30日間

② ASTRUX SaaS (アストラックスサース)


公式ページ
 「ASTRUX SaaS(アストラックスサース)」は、クラウド上で気軽に文書管理ができるシステムです。

■特徴① : ツールベンダー側で運用管理
■特徴② : オンプレミス版もあり
■費用感 : 要問い合わせ
■無料トライアル : なし

(4) オンラインストレージ

① Google Drive (グーグルドライブ)


公式ページ
 「Google Drive(グーグルドライブ)」は、Google社が提供する企業向けグループウェア「G Suite(ジースイート)」に含まれるオンラインストレージサービスです。

■特徴① : Gmail、カレンダーなどの各種Googleサービスも利用可能
■特徴② : 個人、スタートアップ・SMBからエンタープライズまで、組織規模に応じた料金プラン
■費用感 : 月額1,380円/1名(Business) ※容量無制限
■無料トライアル : ※無償版も解放中

② OneDrive (ワンドライブ)


公式ページ
 「OneDrive(ワンドライブ)」は、マイクロソフト社が提供するオンラインストレージサービスです。

■特徴① : Word、Excel、PowerPointなど、Office製品との連携がスムーズ
■特徴② : Windowsとの互換性が高い
■費用感 : 月額1,090円/1名(OneDrive for Business (Plan 2)) ※1TB+高度なセキュリティ機能
■無料トライアル : ※無償版も解放中

(5) 社内SNS

① Talknote (トークノート)


公式ページ
 「Talknote(トークノート)」は、従業員エンゲージメント向上を促進する、チャット形式の社内SNSです。

■特徴① : 1つの投稿(トピック)に対してコメントできる「グループ機能」
■特徴② : 集約されたコミュニケーションを解析し定量化
■費用感 : 要問い合わせ
■無料トライアル : 14日間

② Yammer (ヤマー)


公式ページ
「Yammer(ヤマー)」 は、Microsoft社が運営する社内SNSです。

■特徴① : Microsoft Office製品とシームレスな連携
■特徴② : 多言語対応
■費用感 : 月額1,360円/1名
■無料トライアル : ※無償版も解放中

自社の文化も鑑みたうえでツールを検討しよう

ナレッジ共有・社内ナレッジのデータベース化は、今後どこの企業でも重要性を増していくテーマになります。
ただ、ツールのタイプや製品の種類は無数にあるため、自社にとって必要なのはどのタイプか、その中で自社の文化・風土に合うのはどのツールか、といった観点で検討していくといいでしょう。