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コールセンターにおける放棄呼率は、決して無視できない指標です。放棄呼率は、お問い合わせをした顧客のうち、オペレーターにつながる前に切断してしまった顧客の割合を示した数値だからです。
理想的なコールセンターであれば、顧客と会話することでサービスや商品に対する不満や改善点が聞き出せるうえ、疑問点を解決して顧客満足度を上げる大切なチャンスを得られるはずです。しかし、応答するまでの待ち時間が長い、スタッフ数が不足しているなどコールセンターにおける課題が早期解決されないと、大切なチャンスを逃し、顧客離れを加速させる恐れがあります。
コンタクトセンターやお問い合わせの部署では、放棄呼率の把握と改善が重要です。放棄呼率の増加を放置すれば、顧客満足度や企業イメージの低下につながる恐れがあるためです。
放棄呼率とは、「ほうきこりつ」と読み、顧客がコールセンターに電話した際、オペレーターにつながる前に電話を切ってしまった件数の割合を表しています。また、あふれた呼び出しとして「あふれ呼」と呼ばれることもあります。
放棄呼が発生しているということは顧客との機会損失が起きていることを示すため、放棄呼率の数値は常に0%に近いことが望ましいでしょう。
現実的には放棄呼率の平均は8.6%程度とされており、コールセンターの業務改善やサービス品質向上において、放棄呼率は重要なKPIといえます。
参照:コールセンター白書2022の図2-2-47
放棄呼については、以下の記事で詳しく解説しています。
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放棄呼率の計算方法
放棄呼率は、以下の算出方法で割り出せます。
計算式:放棄された件数(放棄呼数)÷ 着信件数
例えば1日に1,000件の着信があったとします。
しかしそのうち50件の着信が放棄呼になった場合は、
50件÷1,000件=5%
と計算できます。
5%であれば問題ないと感じるかもしれませんが、放棄呼率を下げる対策を怠ると、以下のデメリットが発生する恐れがあります。
・顧客とのつながりを得る機会の損失
・オペレーター1人あたりへの負担が増加
・顧客満足度が低下
・企業や製品、サービスのイメージ低下
放棄呼率は発生が確認でき次第、早期の改善に取り組む必要があるでしょう。
放棄呼率が高くなる事象については、必ず原因があります。対策するには原因を特定する必要があるため、以下の代表的な原因を意識して改善に取り組みましょう。
業務量に対して対応できるオペレーターが不足していると、入電に対応しきれずに放棄呼が発生します。通常業務では人手が足りている場合でも、イベントや広告などの効果により問い合わせが殺到して放棄呼率が高まってしまうこともあります。
顧客1人あたりにかけるべき通話時間を超過している場合があります。クレームが長い、後処理に時間がかかっているなどが考えられ、1人の顧客へ対応している間にほかの顧客からのお問い合わせが殺到すると、対応できずに放棄呼率の増加につながります。
顧客は、利用している商品やサービスにおいて、自身で解決できない場合にお問い合わせをします。そのため商品やサービスの使い勝手が悪かったり、説明書やマニュアルが不親切だったりする場合にお問い合わせの件数が増加します。
早期の解決が必要な放棄呼率をどのように下げて改善するか、具体的な対策方法について見ていきましょう。なかには初期費用がかかる場合もありますが、改善することで顧客満足度が向上し、利益の増加にもつながります。
人手不足が原因で放棄呼率が高まっている場合、オペレーターを増員することで解決できます。コールセンターのオペレーターを増員するタイミングについては、稼働率を基準に見定めると良いでしょう。
稼働率は80〜85%程度が目安といわれています。稼働率が70%以下にも関わらず放棄呼率が高い場合は、人員数よりもオペレーターの作業効率や業務フローを見直すべきです。
稼働率については、以下の記事で詳しく解説しています。
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繁閑の差が大きい業種やイベントなど、一時的に忙しい場合は外部に委託する方法もあります。
アウトソーシングとは、社内で行っていた業務を専門業者へ外部委託することで、業務効率の向上および人員不足の解消に役立てるためのサービスのことです。コールセンターの業務に特化したアウトソーシングの企業へ依頼すれば、一時的に人員が増員できます。
ただし人員を増加させると同時に一人ひとりへの徹底した研修が必要です。増員により放棄呼率が低下したとしても、オペレーターの対応の質や業務への理解が悪い状態では顧客満足度の低下につながります。
WFMとは、スタッフ1人当たりの負担を増やさず、かつ業務の質を低下させないまま人件コストが削減できるよう人材の活用や人員配置を再考することです。コールセンターにおいて適切なWFMを実行するには、入電数にあわせてスタッフの人員配置を最適化することが大切です。具体的には、以下3つの要素を洗い出して適切な人員配置を設定することをおすすめします。
・曜日や時間帯ごとの入電数
・繁忙期と閑散期
・スタッフの平均呼量
・スタッフの出勤情報
これまで常に同じ人員配置を図っていた場合は、上記を洗い出して、時間や時期によって変更することを検討しましょう。
IVRとは自動音声応答装置のことで、お問い合わせをした顧客に対し、ロボットが自動で音声対応してくれる仕組みのことです。
例えば電話をかけた際に「お支払金額の参照は1を。会員情報の変更は2を押してください」というアナウンスを聞いたことがあるでしょう。またスマートフォンなどでメニュー操作を案内するなどの視覚的な自動対応は、ビジュアルIVRといい、チャットツールなどがあります。
顧客のお問い合わせ内容や操作がある程度同じ場合は、あらかじめ設定したIVRに対応をお任せできます。またどうしてもIVRだけでは解決できない事案があれば、人員によるオペレーターへつなぐように設定することで、ある程度の顧客対応件数が削減できます。
WebサイトのFAQページを充実させることで、顧客へ自己解決を促せます。顧客のなかにはFAQを見ても解決できなかったため、やむを得ずお問い合わせをした人もいるでしょう。顧客からのお問い合わせが多い案件においては、早急にFAQページへ追加することでお問い合わせ件数を大幅に減らせます。
コールセンターにおける放棄呼率の重要性と、早期解決を図ることの大切さについて解説しました。
放棄呼率がたとえ一桁の数値でも、サービスレベルや保留時間の長さに不満を持った顧客から、商品や企業イメージが低下する恐れがあるため、決して無視できません。数値を下げるには、顧客への応答率を上げることがポイントです。
具体的には、1人当たりの顧客対応時間や処理時間を短縮する、問い合わせ件数が増加する要因を分析して解決に努める、架電が集中しやすい時間に増員するなどが効果的です。
またECサイトなどで見かけるボイスボットの活用もおすすめです。ボイスボットとは、顧客に対して音声を使った対応を自動で行うシステムのことです。特に「PKSHA Voicebot」は毎月25万件のコールに対応し、多くの企業の放棄呼率/応答率の改善に貢献しています。
具体的には製品に搭載されたAI機能がユーザーに対して自動で応答し、オペレーターの手間を省いたりストレスを軽減させたりすることで、離職率の低下を目指しています。
詳細が記載された資料がありますので、ぜひこちらよりお申し込みください。
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