ヘルプデスクとは、顧客や従業員に製品の使い方の説明、トラブルの解決方法、技術的サポートなどを提供する仕事を指します。その業務の性質上、さまざまな情報に精通しておく必要があり、業務範囲は広く、仕事内容は煩雑になりがちです。そのため、特に効率化が必要な部署といえるでしょう。ここでは、ヘルプデスクに効率化が必要な理由やそれに伴う課題、効率化を実現する方法について解説します。
まずはヘルプデスクの効率化における課題について解説します。
企業はヘルプデスクの効率化の必要性を理解していても、主に2つの課題に直面することがあります。その1つは、対応範囲が広く、求められる知識が多いことです。そのため、ヘルプデスク業務に従事する従業員には、よくある内容の問い合わせから個別に回答が必要なサポート業務まで、幅広く精通することが求められます。
もう1つの課題は、ヘルプデスク業務は顧客対応以外にも処理時間が発生することです。例えば、顧客対応が終わった後に履歴を残したり、顧客情報を管理したり、別の担当者に情報を引継ぎすることなどです。複数の業務が重なって一つ一つの作業が煩雑になり業務量が増大する傾向にあります。
ここでは、ヘルプデスク業務の効率化が重要な3つの理由について説明します。
ヘルプデスク業務を効率化できると、顧客満足度の向上が期待できます。問い合わせにスピーディーかつ正確に対応できるようになり、顧客のストレスも軽減します。顧客満足度が向上すれば、企業や製品に対するロイヤリティも高まります。
ヘルプデスク業務の効率化により、スタッフ一人一人の業務時間や工数を減らせます。負担が減り、余裕が生まれるため、応対品質の向上につながります。また、多くの顧客に共通したトラブルに関してはFAQやチャットボットを活用し、本当に個別の対応が必要な顧客に注力することが可能になります。
ヘルプデスク業務を効率化すれば、スタッフの人員を減らすことができ、コストの削減が期待できます。しかし、コスト削減そのものが目的ではありません。上述したように応対品質や顧客満足度が向上する結果として、コスト削減が実現するのです。
続いては、ヘルプデスクの業務を効率化する方法について説明します。ヘルプデスクを効率化するためには、顧客を自己解決に導き、顧客対応を最適化することが必要です。以下では、以上の2つの視点に基づいた具体的な方法について説明します。
顧客を自己解決に導く主な方法を4つ紹介します。
チャットボットとは、「チャット」と「ボット」を組み合わせた言葉で、AIを活用した自動会話プログラムのことです。近年、チャットボットの進化は著しく、高品質のサービスを期待できます。
また、FAQとは「Frequently Asked Questions」の略で、「よくある質問」のことです。顧客のニーズを分析し、問い合わせが多い質問をまとめておくことで、顧客を自己解決に促すことができます。そのため、ヘルプデスクへの「呼量」を減らすことができます。
ここでいう呼量とは、単位時間あたりの通信回線の占有量を指します。呼量は通話回数に1回あたりの平均利用時間をかけたものを対象時間で割ることで計算されます。例えば、1時間(3600秒)の間に10回の通話がなされ、1回あたりの平均利用時間が5分(300秒)だった場合、呼量は300×10÷3600=0.833となります。
FAQはコールセンターやカスタマーサポートのIT化の一環として導入されるケースが多いですが、自社の社内向けのヘルプデスクの業務改善のために導入されるなど、社内・社外問わずさまざまなメリットがあります。例えば、一つ一つの問い合わせの対応品質の向上によって、問い合わせる顧客は目の前の問題をより短時間で解決しやすくなるため、クレーム対策の強化や顧客満足度の向上にもつながりやすくなります。
さらに社員にとっても都度、電話やメールで問い合わせる必要がなくなるので、効率的な良い効果による期従業員満足度の向上も期待できます。部署を横断したナレッジを共有できれば、問題が発生した際に各社員が自己解決できる件数が増え、結果的にヘルプデスクの対応時間が減って業務負荷、業務負担の軽減につながります。
ボイスボットとは、AI自動応答システムを活用した音声サービスのことです。ボイスボットの活用により、典型的な電話の問い合わせを自動化できます。営業時間外でも24時間365日顧客対応をすることが可能です。
上述したチャットボットやFAQ、ボイスボットなどのツールやシステムを導入するだけでは不十分です。せっかく充実したヘルプデスクを構築しても、顧客がそれを認知していなければ意味がありません。利用率が低い場合には、ツールやシステムの利用率を高めるための改善を行いましょう。
具体的には、顧客が利用したくなるようなUI(ユーザーインターフェイス)やUX(ユーザエクスペリエンス)を設計します。また、ホームページなどに導線を設置し、ヘルプデスクに個別に問い合わせる前に、顧客がそれらのツールやシステムを認知できる工夫が必要です。
Webサイトの商品やサービス情報を充実させるのも1つの方法です。ホームページを訪れた顧客が説明を読んで問題解決に至れば、電話による個別の問い合わせを減らすことができます。
ヘルプデスクを効率化するための別の視点は顧客対応を最適化することです。ここでは、そのための具体的な方法を3つ紹介します。
問い合わせ内容によって適切な担当者へ振り分けられるように、問い合わせ内容を見直しましょう。そうすることで、1人のオペレーターが精通しておかなければならない情報量を減らすことができます。各オペレーターが「浅く広く」ではなく、「深く狭く」業務内容を理解すれば良いため、一人一人の負担を減らせますし、顧客対応の質も向上するでしょう。
オペレーターの顧客対応に関するテンプレートやマニュアルを作成し、業務をテンプレート化、マニュアル化することで、サービスの属人化を回避できます。誰でも同じ品質のサービスを提供できるため、特定のオペレーターだけに負担がかかるのを防止できます。各オペレーターの顧客対応のノウハウや知見をナレッジ化するために、オペレーター用のFAQも設置すると良いでしょう。
CRM(「Customer Relationship Management」)とは、「顧客関係管理」と訳されます。その中には顧客と良好な関係を維持するための施策を実現するためのシステムも含まれます。顧客管理システムを利用することで、顧客情報を一元管理し、適切なタイミングで顧客対応を行うことが可能になります。また、個別でレポートを作成する必要がないため、ヘルプデスク業務の効率化を実現できるのです。
ヘルプデスクを効率化するためには、顧客を自己解決に導き、顧客対応を最適化することが大切です。どちらかだけでなく、車輪の両輪を回すように、どちらもバランス良く行いましょう。そのための効果的な施策の1つはFAQの設置です。おすすめは国内シェアNo.1のFAQシステムのPKSHA FAQです。
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