目次
ChatGPTは、OpenAI社によって開発された自然言語処理に基づくAIモデルです。GPTは「Generative Pre-trained Transformer」の略で、トランスフォーマーと呼ばれるモデルアーキテクチャを使用しています。
大量のテキストデータを学習しており、データに基づいて自然な文章や回答を手軽に生成できる便利なサービスとして注目を集めています。公開から2ヶ月で1億ユーザーを突破するなど、高速で成長するアプリケーションのChatGPTは仕事にも活用できるのでしょうか。活用のアイデアや注意点を紹介します。
ChatGPTは自然な会話ができるAI(人工知能)ですが、ビジネスにも活用でき、無料で使える仕事の効率化ツールとして有用です。
ChatGPTは自然言語処理の能力を持つため、テキストベースの仕事の効率化に活用できるといわれています。複雑な入力データの認識にも優れ、適切な回答を自動生成できる特徴を活かして、特に作業系の業務の補助に活用できるでしょう。
ChatGPTは文章の自動作成や誤字脱字チェック、議事録の作成、データ入力など、使い方次第で多くの活用の可能性があります。議事録作成やデータ入力のタスクは時間がかかるだけでなく、人力で行っていたことからミスが発生しやすい業務でした。ChatGPT導入によって自動化が可能になるだけでなく、ミスも減ることがメリットです。また時間と人手に余裕が生まれた分、より重要なタスクに集中することができるため、企業にとっては業務効率と精度の両面で効果が期待できるでしょう。
ChatGPTはできることが幅広く、業務においても多くの活用の可能性があります。ここでは、ChatGPTが得意とされる代表的なビジネスでの活用法をご紹介します。
ChatGPTは簡易的な文章の作成補助に活用することができ、業務メールもその1つです。たとえば、メールの返信に困った際は、ChatGPTに相手のメールの概要を伝えて指示を出すと、返信するメール文章の大枠を生成できます。指示は以下のように出すと良いでしょう。
ChatGPTはAIモデルの学習過程で、文法や綴りについても正確に文章を生成できるようになりました。もちろん、自分で作成したコンテンツの誤字脱字のチェック、修正に活用することが可能です。
また、複雑な文脈における誤りも指摘することができるため、記事のような長い文章の校正にも活用できるでしょう。ただし、文字数には制限があるので、2,000文字前後を超える文章は分割する必要がある点に注意が必要です。
長いレポートや記事を読み、主要なポイントを把握、それらを要約してまとめるのは時間と労力が必要です。
ChatGPTは文章の要約や翻訳のタスクもこなすことができます。文章の要点を抽出することや他言語への翻訳は、市場リサーチといった情報を素早く理解して伝える業務で頻繁に行われます。要約と翻訳をあわせて実施することも可能であるため、このような業務の効率化が期待できるでしょう。
プレゼンテーションの準備業務として、内容の整理やスライドの作成が挙げられます。特に内容が定まっていない初期段階で、キーワードをいくつかChatGPTに与えることで、プレゼンテーションの流れを生成することが可能です。
内容の大枠が定まっている場合であっても、アウトラインの作成作業がスムーズになるでしょう。
ChatGPTは文章だけでなく、プログラミングの分野でも効果的に活用できます。特に、コードの生成能力は優れており、アプリケーションの挙動や関数、パラメータをチャットで指示するだけで、指示に沿った動きをするプログラムコードを作成可能です。そのほか、既存コードのデバッグにも活用できるでしょう。
テキストベースの仕事で業務効率化を実現できるChatGPTですが、利用する際は注意すべき点もあります。以下で紹介する3点は特に意識するようにしましょう。
ChatGPTを使用して企業公式のドキュメントや業務メール、プログラムコードの作成などをする場合は、あくまでも作業補助として使用し、必ずファクトチェックを行うようにしましょう。また、自動生成する内容の正確性は担保されているわけではありません。仮に誤った情報を提供した場合は企業の信頼性に影響を及ぼすためチェックは必須といえるでしょう。
ChatGPTを利用の際は、特徴を理解することが大切です。大規模言語モデル(LLM)であり、自然言語処理技術を持つAIチャットボットのChatGPTは、人間と同レベルの高度なやり取りができるものの、内容の正確性は担保されていません。実際に誤った情報を本当であるかのように出力することもあります。また、最新の情報には対応しておらず、学習が完了している2021年9月までのデータしか対応できないため、トレンド性の高い話題や固有名詞を含む表現には特に注意が必要です。
ChatGPTは同じ内容でも、どのような文章で指示を出すかによって、異なる返答が生成されることがあります。想定とは異なる文章が表示された場合は、使用するなかで指示文の改善を行うことが大切です。
曖昧な指示を避け、できる限り具体的に条件を設定しましょう。特に前提条件やペルソナ、出力例などの指示をすることで精度を高めやすいためおすすめです。また、複数の作業を一度に指示するよりも、1つずつ具体的なタスクを指示するほうが想定した結果を得られやすいといわれています。
ChatGPTは情報の取り扱いやセキュリティ面において不明な点が多いため、仕事で取り扱う機密情報や個人情報は送信しないようにすると安全です。取引先の情報や顧客の個人情報をもとに指示を出す際は、一般的な名称に置き換えて利用するなど、情報の取り扱いに注意しましょう。これらは特に、個人情報に接する機会が多いコールセンター業務などで徹底する必要があります。
今回は普段の仕事におけるChatGPTの活用方法について説明しました。文章の作成補助、誤字脱字のチェック、要約や翻訳、プレゼンテーションのたたき台作成、プログラミングのコード生成など、さまざまな分野で活用が考えられます。現在ではChatGPT4.0にて機能を拡張できるChatGPTプラグインがリリースされており、活用の範囲が広がっています。
ただし、生成された文章は必ず人間がチェックし、ファクトチェックを行う必要があります。ChatGPTは大規模言語モデルであり、正確性は担保されていません。また、企業の機密情報や個人情報は送信せず、情報の取り扱いには十分な注意を払う必要があります。
注意すべき点はありますが、仕事術としてうまく使えば低コストで業務の効率化に大きく貢献してくれるでしょう。まだ使ったことがなければ、試しにプライベートで使ってみてはいかがでしょうか。